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ゆいまる日記バックナンバー

2018年12月26日
「年末のご挨拶」
今年も残すところあとわずかとなりました。この1年間、皆様はいかがでしたでしょうか?

今年は災害並みの暑さ、台風の直撃、北海道胆振東部地震により多くの災害がもたらされました。被災された方々に心よりお見舞いと復興をお祈りいたします。私たちの診療にも多くの影響があり、夏の8月には多くの方が体調を崩され、台風の日には診療の時間に当たり暴風の中を診療に向かいました。災害に十分な備えができているとはいえず、改めて私たちができたばかりの未熟な発展途上の診療所であることを認識しました。

今年の一年間でも多くの方のお看とりに関わらせていただきました。その中でクリニックの立ち上げ当初からかかわってきた方ともお別れをいたしました。お別れをすることは悲しいことですが、その方を巡ってそのご家族様や関連職種の方々との絆が残りました。療養者様が創ってくださったご縁だと思って感謝とともに大切にしていきたいと思います。

この一年間に、新たに医師が非常勤として2名、看護師が1名、事務員が2名と、新しい仲間を迎えることができました。素晴らしいメンバーであり、これまでのメンバーも大いに刺激を受けました。体制もより整備され、診療の充実させるために医師・看護師・事務の職種の部会を立ち上げてそれぞれの質の向上を図り、アドバンスケアプランニング(人生会議)の強化、ビジネスマナー研修の定期開催を行うこととなりました。

診療する中でニーズのあるものはイベントとして開催したものがいくつかあります。和嚥の会として日本料理関西さんで嚥下食を楽しんでいただく会、認知症啓発として「ケアニン」の上映会・認知症VR体験会を開催、グリーフケアとしてご遺族に集まっていただき結楽サロンを開催、男性介護者の集いとしてメンズケアラーズカフェを開催することなどできました。

私たちは、療養者様がいつまでも住み馴れた地域でこころ豊かな暮らしができ、地域のつながりができることを願い、活動しております。この1年間、皆様のご協力があってここまで進むことができました。心から感謝するとともに、これからも皆様と一歩一歩進んでいけることを願っております。

皆様が良いお年を迎えられることを心からお祈りいたします。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
院長 鈴木欣宏
2018年12月25日
「メンズケアラーズカフェのアンケート」
メンズケアラーズカフェアンケート参加してくださった方々にご協力をお願いし、参加前と参加後の感想についてアンケートをお願いしました。
参加者してくださった属性は以下のようになります。

「参加者年齢」
70-74歳 10%
75-79歳 45%
80歳以上 45%
「介護暦」
1年未満 25%
2年 25%
3-4年 5%
5年以上 25%
未回答 20%
「家族世帯」
夫婦のみ世帯 55%
夫婦と子世帯 45%
開催前のアンケートでは、介護の現状把握する内容について質問をお願いしました。内容と結果は以下の通りです。

  • 「介護をしていて不安になることは?」の質問に対して、90%の方が不安になると回答され、不安要因は妻の身体に対することと介護方法についてが主な要因でした。
  • 「孤独を感じていますか?」の質問に対して、45%の方が介護に対して孤独を感じ、その中でも身体・心理的に疲れた時、誰にも相談できない時に孤独感を強く感じることが把握できました。
  • 「相談できる人はいますか?」の質問に対して、子供さんだけでなく、ケアマネさんやデイ職員さん、訪問看護師さん、医師、結の看護師に相談していることが把握できました。
  • 「家族を介護している人と話す機会がありますか?」の質問に対して、90%の方が話す機会がないと回答され、「交流を望むか?」の質問に対して70%の方が交流を希望されている結果が把握できました。
  • 「介護についてどのような手段で情報収集しますか?」の質問に対して、ケアマネさん、医師、結の看護師が最も多く回答されていましたが、テレビ、本や雑誌よりもインターネットから情報収集されていることも把握できました。
  • 「ストレスを感じた時、気分転換をどのようにしていますか?」の質問に対して、お酒を飲むことが最も多く、運動や趣味に興じストレス解消している事も把握できました。中でもお泊まりサービス(=ショートステイ)を利用して介護休息している方もおられ、介護と自身の生活を上手に両立されている事が把握できました。また、子供さんには迷惑かけてはいけないと思う親の思いが反映されているのか、妻の介護を子供や兄弟に代わってもらう欄には回答がなかったことも把握できました。
  • 「メンズケアラーズカフェに参加しようと思った理由」に対しては、同じ立場の方の意見や介護方法を聞いてみたいという回答が最も多かったです。日々不安や孤独を感じながら介護をされており、同じような立場の方と交流し、介護方法や意見を聞くことで安心感を求めていることが把握できました。

開催後のアンケートでは「開催目的」「他者との交流の必要性」「適度な休息の必要性」は、参加者すべての方が「理解された」という回答を得られました。また、70%の方が「今後の参考になった」「気分転換になった」と回答され、80%の方が「次回も参加したい」と回答して頂きました。

しかし、場所がクリニックであり手狭な空間であった事、開催時間を2時間設定した事もあり、参加して下さった方々が「十分お話をすることができなかった」「他の方の介護方法をもっと聞きたかった」という意見を頂戴しました。

内閣府が発表している平成28年版高齢社会白書では、高齢者の割合は増加の一途にあり、厚労省が平成27年版厚生労働省白書では、65歳以上の人のいる「夫婦のみの世帯」の増加も見込まれており、同居男性介護者の割合は2013年に31.3%(女性68.7%)と増加傾向にあり、世帯構成割合から考慮しても、今後さらなる増加が予測されます。今回メンズケアラーズカフェでも同結果にある事が把握できました。

男性介護者は介護や家事を自らの責務として熱心に合理的に行う一方、弱音を吐かず介護ひとりで抱え込みやすい、そのため内にこもりがちになる傾向にあると先行文献からも述べられています。介護ストレスや困難には、家事への負担や戸惑い・介護継続への不安感、社会からの孤立、認知低下によりかみ合わない会話、やり場のない徒労感等報告があり、その一方で介護の具体的な方法や対応方法が理解できれば減少するとも報告があります。

今回メンズケアラーズカフェでは同じような立場の方と交流をして頂き、介護に関する知恵を学ぶ機会だけではなく、同じような思いをお互い共感し、不安と孤独感軽減して頂きたいという思いで開催致しました。開催目的はすべての方に理解して頂く事ができました。交流を望んでいるにも関わらず、交流する機会、場所がないことが問題であることも把握できました。第1回開催結果の成果はあったと感じました。

今後、男性介護者の方にとって有意義な会が開催できるために、クリニックがどのように関わって開催していくことが良いのか検討していかなくてはいけない課題ではあります。

「謝辞」
参加にご協力くださいました男性介護者の皆様、ケアマネ様、たまご家様感謝申し上げます。
看護師 長田
2018年12月01日
「第1回メンズ・ケアラーズカフェを開催」
結ファミリークリニックで訪問診療に伺うご家庭の中に、奥様を介護しておられる男性介護者(メンズケアラー)が25名弱程おみえになります。

少し古い資料になりますが「平成23年3月 社団法人全国国民健康保険診療施設協議会『男性介護者に対する支援のあり方に関する』調査研究事業 報告書」によりますと

・地域社会と断絶し、孤立化傾向を持つ。
・悩みを相談できず、ストレスを抱え込む傾向を持つ。
・介護を自身で抱え込み、支援を受け入れにくい。
・本音や要望を伝える力が弱い。
・男性は割り切りが得意でなく、女性の方が割り切って介護保険サービスを活用できる傾向がある。

などの特徴と傾向が明らかにされています。

結ファミリークリニックの男性介護者の中にもご家庭の中で孤立しがちであったり、サービス利用に壁を感じ一生懸命介護に当たられるあまり介護疲れを感じ行き詰まりそうになってしまう方も時々見受けられます。一方、そのような時期を乗り越え、うまくサービスを活用され僅かな時間でもご自分の時間を充実して過ごして気分転換を図られている方もみえます。

同じような立場の方々で情報交換できる場があったらいいのに…という思いが私たち結のなかでも上がってきておりました。そこで、結ファミリークリニックの療養者ご家族同士で交流する会を持ちたいと今年度の目標の1つに定めておりました。

メンズ・ケアラーズカフェ今回、開催にあたりなんと12人もの男性介護者の方が参加をしてくださいました。参加にあたりケアマネジャーさんによりサービス調整をしていただくなどのご協力も得て、大勢の方の参加が実り大変嬉しく思います。

狭いクリニックの中での開催でしたので、肩を寄せ合いながら「第1回メンズケアラーズカフェ」がスタートしました。院長がこの日の為に蜂屋柿で丁寧に作った干し柿を秋の味覚としておもてなしを致しました。
メンズ・ケアラーズカフェ メンズ・ケアラーズカフェ メンズ・ケアラーズカフェ
お互いの介護状況も少し垣間見られるようにと、予めご自宅でのご夫婦の様子をお写真に撮らせていただき、自己紹介の際の背景としてプロジェクターで投影させていただきました。

自己紹介では闘病されている奥様を想い涙されたり、未だ病気や介護の必要な状況を受け止められず苦しい胸の内を涙しながらお話しくださる方もおられました。司会進行をしている私もその想いに触れ何度も何度も胸が熱くなり言葉に詰まってしまいました。
メンズ・ケアラーズカフェ メンズ・ケアラーズカフェ メンズ・ケアラーズカフェ メンズ・ケアラーズカフェ
メンズ・ケアラーズカフェ
メンズ・ケアラーズカフェ
フリートークの時間では男性同士なのでどのように話が盛り上がるのか心配をしておりましたが、「『できることは自分でやってもらう』という方針で介護をしているが皆さんのご意見を聞かせてください」「夜間の部屋の温度は何度くらい?オイルヒーターがいいのかエアコンがいいのか?」など日々奥様の療養のお世話をされている方々ならではのお話しと、どの男性介護者も奥様を大切に愛情深く関わっておられるお話しにこれまたふんわりとした温かな気持ちになりました。男性介護者の方々はまじめで、優しく、愛情に溢れているというのが終了後の1番の感想です。

メンズ・ケアラーズカフェ帰りには先日の訪問看護サミットに参加した際の企業展で取り寄せた化粧品サンプルや抗菌作用のある石鹸サンプルセット、そして一政看護師が男性介護者の健康維持の事を考慮して作成した「栄養・食事」についてリーフレットとサンクスカード、そしてお土産メインはなんと犬山中央病院前に店舗があります「たまご家」さんがこのメンズケアラーズカフェの趣旨にご理解の上、協賛してくださり無償にて「おかず弁当」を夕飯のおかずにお持ち帰りしていただくことができました。(たまご家のオーナー高橋様、ご協賛いただき誠にありがとうございました。)

メンズ・ケアラーズカフェ
メンズ・ケアラーズカフェ
当日は2名のケアマネジャーさんにも参加や当院非常勤の田所医師の参加などもあり大変賑やかなメンズ・ケアラーズカフェとなりました。それぞれでメールや連絡先なども交換されておられましたので、是非この交流を今後も続けていただき男性介護者さん同士の情報交換や息抜きの場として続けていけたらと思います。

次回は才能も経験も豊富な男性介護者の方々に、主体的に企画に参加していただきたいと思っています。(※カフェの前後でアンケートを行いました。アンケートにつきましては後日改めてご報告させていただきます。)
看護師 須田
2018年11月30日
「メンズ・ケアラーズカフェ 協賛御礼」
この度11月30日に開催されました「メンズケアラーズカフェ」の趣旨をご理解の上、協賛下さいました「たまご家」さんには感謝申し上げます。

お弁当男性介護者の参加者の方々にお土産としてお持ち帰りしていただきました。

私たちスタッフも便乗しお昼ごはんに、その日の夕飯にと注文させていただきました。なんと合せてその数40個!!美味しくいただきました。
看護師 須田
2018年11月29日
「院内ビジネスマナー社内インストラクターの誕生」
去る11月21日に、当院の看護師一色が一般社団法人社団法人社員教育内製化推進協会 社内インストラクターとなり、ビジネスマナーを学びました。この間、名古屋の研修センターへ通い、自宅でも家族相手に練習を重ねてきました。
社内インストラクター研修 社内インストラクター研修 社内インストラクター研修
そして、院内の第一回目の研修を11月28日に開催し、見事にインストラクターのスタートを切りました。これからも職員一同、皆さまと心地よいコミュニケーションがとれるよう心掛けていきたいと思います。
院長 鈴木欣宏
2018年11月15日
「グリーンハイツ昭和会で『劇団結』熱演しました!」
劇団・結劇団結!またまた、オファーが来ました。今度は、グリーンハイツ昭和会から老人会のお楽しみ会で、寸劇と院長の講演の依頼でした。

楽田ふれあいセンターでも先日公演させて頂いた「こんな感じDE自宅で最期まで過ごせますよ」という同じ題目で、前回の反省や展望を生かして配役の交代もし、再度練習を重ねました。といっても、診療の合間に数えるほどしか練習できておりませんが…。
劇団・結 劇団・結 劇団・結
劇団・結劇団・結当日の11月11日(日)、当院の非常勤医師の田所医師が妻役を熱演し、のめり込んでいる姿にスタッフ一同感化され、飛び交うアドリブや演技!

小道具のウケもよく、観客席から笑いやたくさんの拍手を頂きました。演技のレベルではなく、在宅で最期まで過ごせる介護保険や在宅医療のしくみ、または住み馴れた自宅で最期まで過ごせる幸せを感じていただけたでしょうか?

劇団・結今回の寸劇で、「在宅医療を初めて知りました」「こんなシステムがあるなら将来利用したい」などとお声を頂きました。まだまだ、地域の方に在宅医療を知っていただく周知活動が必要だと感じております。

劇を終え…院長の鈴木医師より次の劇団結の構想が発表されました。乞うご期待!!

「謝辞」
今回、羽黒・池野地区高齢者あんしん相談センターの細川さんがケアマネージャー役として、ご一緒に劇を盛り上げて下さいました。本当にありがとうございました。今後も引き続き共に地域に根づいて活動していけたらと思っております。
看護師 水野
2018年11月12日
「臨床推論研修・訪問看護サミットに参加」
冊子富士山11月10日(土)・11日(日) クリニックの福利厚生「個人研修支援制度」を利用して東京都新宿区 ベルサール新宿グランドで開催された「在宅療養支援のための臨床推論」、「訪問看護財団 訪問看護サミット2018」に参加して参りました。

会場初日の「在宅療養支援のための臨床推論」では群星沖縄臨床研修センター長 総合診療医 徳田安春先生から主に「直感的・分析的思考による鑑別・臨床推論でのバイアス(簡単に言うと危ない罠)」、「病歴とフィジカルによる臨床推論・レットフラッグ・バイタルサイン・フィジカルアセスメント」について学びました。

訪問診療のクリニックの看護師として輪番制でファーストコールを持ち、在療養者様の緊急時に備え夜間や休日に自宅待機をします。まず第1報、混乱や不安の中でかかる緊急電話に日々対応しています。緊急電話や緊急訪問看護で訪問した際に医師が迅速に的確な診断が下せるようにいかに情報を引き出すか、判断するか、その判断に必要な多くのことを学ぶことができました。ここで学んだ内容は虎の巻のような物を作成して看護師間で知識やアセスメント能力の均一化を図りたいと思います。

一日目を終了後は会場に来ていた古巣の仲間や恩師と再会ができましたのでロビーのカフェで10数人とお茶をし、その後は数名と夕飯と美味しいお酒を共にし楽しい時間を過ごすことができました。

ともに支えあう地域づくりのチャレンジ二日目「訪問看護財団 訪問看護サミット2018」では「〜ともに支えあう地域づくりのチャレンジ〜」とサブタイトルにあり、「まちの保健室」や「マギーズ東京」などで有名な秋山正子氏の特別公演をはじめ、実践家で地域に根付いた活動をしている4名の方の公演やシンポジウムに参加して参りました。

その中で印象的であったのは、「一事例を大切に追及することが地域づくりに繋がる」というお話しでした。結では「住み馴れた場所で暮らし続けられるように地域づくりしていくこと」が理念に掲げられております。改めて、療養者さま、それぞれの暮らしの中で困難な状況が出てきた際に共に良い方法や手段を考え、時には折衝をしながら支援していきたいと改めて思いました。

思い起こせば看護師として成長し、幅を広げる際はいつも困難なケースや事象にぶつかるときだと実感しています。一人の療養者の方の生き方・暮らし方から学ぶことが非常に多いです。毎日が勉強と挑戦、コツコツ丁寧に。その繰り返しだと改めて感じ帰路につきました。このような学びの機会を与えていただくクリニックの環境と院長の方針に感謝致します。

具現化・アウトプットしていくことを心に誓い、帰りの新幹線では美味しいビールと江戸前寿司を美味しくいただきました。
看護師 須田
2018年10月31日
「みどり訪問クリニックを見学しました」
みどり訪問クリニック去る10月30日に、名古屋市のみどり訪問クリニックへ見学に行ってまいりました。このクリニックは、院長の姜先生先生が中心となって作業の効率化をはかって雑務を減らして間違いをなくす試みをしております。

在宅医療は、車に医療物品・機器を積み込んで移動し、様々な職種と交わるため、物品の管理や情報共有が複雑になります。その複雑さから多くの時間がとられたり、間違いが多くなったりすると、診療の質自体も低下してしまいます。診療の質を上げるためにも、それを支える物品管理や情報共有は非常に大切なものです。みどり訪問クリニックの先進的な試みに圧倒されるとともに、私たちのクリニックにも取り入れていきたと思いました。

まずトヨタのカンバン方式を取り入れて、物品管理が誰でも簡単にできるようになっていました。次に、一目で簡単に物品の位置が分かるように、可視化を徹底的に行っていました。車の色ごとに準備するものがまとめられ、カバンの中もいちいち探さなくてもすぐわかるようになっていました。また、場所もわかりやすくなっており、3定管理といって定品、定量、定位置の事で要るものを、必要な数だけ、決まった場所に置き整頓されていました。

さらにクラウド式の電子カルテを導入して、離れた場所で同時進行に管理をするだけでなく、チャットワーク、メディカルケアステーションなどのアプリを使い分けて情報共有をしていました。私たちもこの学びをクリニックに取り入れて、業務を改善し、より診療の質を上げていきたいと思います。

みどり訪問クリニック大変お忙しい中、姜先生自らお時間を作って講義をしていただき、また事務長の堀田さんやスタッフの皆様も丁寧に対応していただき、ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
院長 鈴木欣宏
2018年10月29日
「あいちACPプロジェクト研修会へ参加」
厚生労働省では平成30年度人生最終段階における医療体制整備事業として「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドラインの啓発」をすすめております。

ACPそして今回、愛知県民に対してACP(※)を拡げられるエリアリーダーの育成を目的として研修会が開催されました。国立長寿医療研究センターの三浦先生を中心としたワーキンググループで2次医療圏ごとでの育成の為、県内10カ所で開催をされています。

ACPその中の1カ所、江南厚生病院で10月28日(日)開催された「あいちACPプロジェクト〜共有意思決定支援を学ぶ研修会〜」に院長鈴木医師と看護師須田で参加して参りました。

ACPに関する研修はここ数年で何回か参加させてもらっていますが、今回また新たな情報や考え方など多くの学びを得ました。その中の一つを紹介します。「共有意思決定支援」(シェアード・ディシジョン)という意思決定方法です。

療養者の心身・病気の変化により療養場所や治療の選択などをする場面で「医師からの一方的な説明に対し療養者がそれに同意をする」のではなく療養者本人は「決定するための自分の価値基準を明確して、医師やケア提供者の情報を理解し、対話しながら意思決定をする」そして、その情報の流れは一方向でなく「双方向」です。

「療養者→医師やケア提供者へ価値観や好みに関する情報を提供し、医師やケア提供者→療養者へ、科学的根拠に基づく治療の選択や各選択のメリット・デメリットに関する情報を提供し、繰り返し話す」ということです。意思決定者は「療養者」だけでなく「医療者・ケア提供者」も共に意思決定者だという考えです。共に情報を得て考えその人にとっての最善を考え決定していくのです。

そして、これは生命に関わる難しい選択の際はもちろんですが、日頃から負担の少ない意思決定を重ねて体験し、難しい意思決定へ向けて療養者自身も学び・トレーニングすることを推奨されていました。

簡単に言うと「医療者やケア提供者が『この方法がよい』と思ったことを勧めるのではなく、療養者を中心とした家族等とそのひとの価値観や希望などよく聞き、質問をし、対話を繰り返しながらその人の価値観や考え方にあった方法を一緒に考え決めていきましょう」と言うことです。

簡単なようですが限られた時間の中で実行していくことは難しく、時間制約が一番の課題だと思います。しかし、私たち結ファミリークリニックでも連携する事業者の方々とこの考えや技術を習得しながら制約ある時間の中で病気や人間としての成熟の頂点である老い・死に直面した際にその人らしく暮らし・生きれるような意思決定を互いに支えられるよう日々精進して参りたいと思います。

療養者の方々もどうぞ自分の考え・選好・希望・目標をどんどん教えてください。一緒によりよい方法を話し合いましょう。

※ACP(アドバンス・ケア・プランニング)… 将来のケアに関する価値観、大切にしていること、気がかり、目標、選好を理解し共有することで、あらゆる年齢または健康段階の成人をサポートするプロセス。重篤で慢性の病気の際に患者の表明した意思に合致したケアを人々が受けられるようにすることを目標にしている。(国立長寿医療研究センター西川医師 ACP研修会レジュメより抜粋)
看護師 須田
2018年10月24日
「劇団・結 〜こんな感じDE!自宅で最期まで過ごせますよ〜」
楽田地区民生委員児童委員協議会様から依頼を受け、10月20日(土)「第2回楽田ふれあい交流会」に劇団・結で参加しました。劇団・結の寸劇講演も4回目となり、回を重ねるごとに、内容、小道具、演技すべてにおいてバージョンアップ!!

劇団・結今回の題目は「在宅での看取り」…ある在宅医療の研修会で、健康講座に参加している地域住民の方に「在宅医療について」どの程度知っているか?アンケート調査したところ30%未満であった。知名度の低さに驚きました。

劇団・結実際ご自宅で看取りをされたご家族にお聞きすると、「訪問診療について知らなかった」「どのようにしてもらえるのか不安だった」「もっと早くこの制度を知っていたら…」といった訪問診療についての内容と、「最期どのようになっていくのか?」「どう介護したらよいのか?」といった病状変化とそれに伴う対応方法について不安な思いをお聞きします。

日々在宅に携わっている私たちにとっては聞きなれた用語であっても、地域住民の方々にとっては介護した経験がなければ聞きなれない制度であり、介護生活が描きにくいのも仕方ないと思います。このような地域課題を踏まえて、自宅で医療・介護・看取りの三側面をイメージしやすいよう、また鈴木医師の思いを盛り込みつつ台本を作成しました。
劇団・結 劇団・結 劇団・結
劇団・結講演終了後、療養者のご家族様やご自宅で看取りをされたご家族様、顔なじみの方々も鑑賞下さり、たくさんお声を掛けていただきました。またご家族を亡くされた時のことを思い出されていたのでしょうか。涙されている方もいらっしゃったのがとても印象的でした。

住み馴れたご自宅で大切なご家族と過ごす。療養者様とそのご家族が後悔することなく、最期の時間を大切に過ごしてほしいと願います。

劇団・結劇団・結の活動は、地域課題を、地域の方々と話し合いながら解決する役割があると認識し活動しています。今後も地域の方々にとって身近な存在であるクリニックを目指しております。

※「在宅での看取り」…11月11日のグリーンハイツ昭和会様での講演は、ごっそりメンバーが変わります。ハプニング等あるかと思いますが、乞うご期待ください!!

「謝辞」
今回スペシャルゲストで、楽田地区高齢者あんしん相談センター 勝様、ちいきの介護 河村様に出演をお願いしました。ご協力ありがとうございました。
看護師 長田
2018年10月19日
「第3回結楽サロンを開催しました」
10月2日の彼岸花が真っ赤に色づき、秋晴れの良き日。第3回目の結楽サロンを当クリニックで開催することができました。今回は、平成30年5月〜8月末までにお看取りされた23家族の皆様を招待させて頂き、9家族11名の方々に加え、1歳の可愛らしい女の子も参加して下さいました。
結楽サロン 結楽サロン 結楽サロン 結楽サロン 結楽サロン 結楽サロン
今回は参加人数が多く、小さなクリニックは即席カフェとキッズルームでやや窮屈になってしまいご迷惑をおかけしましたが、1つのテーブルに皆で囲い、一人一人の言葉に耳を傾けながら、うなずいたり、時には涙したりとお互いの気持ちを共感できる場になったのではないでしょうか?

結楽サロンに参加して下さった田中芳江様から、後日素敵な短歌が届きましたのでご紹介させていただきます。

在宅にて看取れしことを先ず感謝 寄り添ひくれたる医師らのおかげと
それぞれの看取りの葛藤話し終へ 胸の内少しほぐれし気のする

歌集「かがりび」田中様は視力障碍のある98歳のお母様を、長く住み馴れたご自宅で介護され、時ある毎に趣味の短歌を唄われ、白寿のお祝いに「かがりび」という歌集を作製されたそうです。お母様の想いを大切にされ、日々の介護での喜びや時には葛藤された思いが心に伝わってきました。

サロン参加後、心温まる短歌を唄っていただき、私たちスタッフの励みになります、本当にありがとうございました。次回結楽サロンは2月頃に開催予定です。今後ともよろしくお願いします。
看護師 水野
2018年10月16日
「自宅で出会う療養者さんの皮膚のお話し」
シーン別 在宅におけるスキンケア去る9月1日(土)に「尾北スキンケアセミナー2018」が大口町ほほえみプラザで開催された折、講演テーマ「シーン別 在宅におけるスキンケア」として3つあるセッションのうちの1つに時間を頂きました。

当日は 江南厚生病院緩和ケア病棟師長祖父江氏から皮膚の構造スキンケアの基礎の講義があり、続いて犬山中央病院の皮膚排泄ケア認定看護師奥山氏から院内でのスキンケア取り組みと続いて、当院からは実際の在宅の現場でのスキンケアを症例を用いて紹介致しました。

きっかけは、独居高齢者の足白癬を起因とする蜂窩織炎(ほうかしきえん)の予防に悩んでいたところ、先に参加した褥瘡学会(じょくそうがっかい)地方会で「抗真菌予防成分:ミコナゾール硝酸塩」配合の泡石鹸を使用して、足白癬の予防ケアに取り組む患者さんの症例発表を聞きました。当院が診察をしている在宅療養者の約2割の方が白癬菌を罹患しています。足の爪や足指の間の白癬菌に対して外用薬を処方していますが、新しい爪が生えてくるまで数か月かかるなどなかなか根気のいる治療です。

時に経験するのが、この菌が原因で足全体が赤く熱感を持ち痛みも伴う「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」という病態です。一気に皮膚全体に症状が広がりますので、早々に診断を受けて治療が必要です。独居高齢者ではデイサービス先で皮膚の変化に気が付いた職員さんからの連絡で診察に繋がりますが、日々の足のケアに介護保険や医療保険の制度枠の中で、関わる人を丁寧に繋ぎながら携わって頂きます。

再燃を繰り返していますが(現在進行形ですが)、病院と違って「管理」は出来ません。暮らしの中で治療と予防をどう組み立てていったか…という症例をまとめて発表しました。出席者の中には在宅現場で活躍する方々のお顔も散見し、終了後質問を受けました。入院中は、一日の時間の中で医療者が創部の管理をしてくださいます。自宅では制度やマンパワーの理由から100%同じことはできません。在る資源で、人と人を繋ぎながらどうケアを紡いだかをお伝えしました。

色々な勉強会や学会ブースなどで新しい商品を手に取ったり、新しい情報が耳に聞こえてきますが、自分の関わる方たちの元に安心・安全に届く方法を常に考えながら情報を提供していきます。そんな視点を持っていたら元来気の多い私も、自然と手に残るものは少なくそれを長く取り扱う視点が出来てきたように思います。

当日主催された持田ヘルスケア株式会社さんからは、出席者全員にスイーツとコラーゲン入りの飲み物が提案され女子に嬉しいセミナー開催でした。 。
看護師 一政
2018年10月10日
「栗の渋皮煮」
朝晩の風がひんやりと感じ、抜けるような青空も相まってとても過ごしやすい日が続いています。うだるような夏が終わり、年齢を重ねた方達の体調の変化に気を配りながらの診察同行も、ここからぐっと気温が下がるまでの間は、皆さん食欲も少し戻り実りの秋の話題で話が弾むなどリラックスした診察時間となる事もあります。

栗の渋皮煮先日、城東地区で道路を歩いていたら、頭上からイガグリが落っこちてきてびっくりしました。密かに楽しみにしていた、院長の「秋の味覚お取り寄せ♪」大きな栗を丁寧な手仕事で見事に仕上げた、渋皮煮を作ってくださいました。これをスタッフ皆におすそ分け頂きました。

お気に入りのCandlewickでいただきます。「今日も張り切っていこう〜」とテンションを上げて出勤です。

Ps.レシピは直接院長にお問い合わせくださいませ〜。 。
看護師 一政
2018年9月18日
「第9回全国在宅医療テスト受験!!」
全国在宅医療テスト
9月15日に愛媛県にあります医療法人ゆうの森が主催する「全国在宅医療テスト」を、当クリニックスタッフも受験しました。

これは、医療法人ゆうの森 永井康徳理事長をはじめとするスタッフの方々が、毎年この季節に全国で受けられる在宅医療テストを主催し開催されているものです。結ファミリークリニックでは昨年に引き続き2回目となる受験です。

受験と聞くと何故かドキッとしますが、今回の当クリニックでの受験率はおおよそ80%。受けることに意味があるとし、鈴木欣宏理事長は限られた時間を見つけ朝勉し、各スタッフもテキストとにらめっこし勉強に励み、受験に挑みました。

永井康徳理事長はこう言います。「たんぽぽクリニックで18年前から院内で行っていたテストが全国の知己のクリニックに拡がり、その後現在では申込者数2000名を数えるイベントに成長しました。これは全国で在宅医療に取り組まれる皆様が、知識や制度について理解を深め、より質の高いサービスを提供し、患者・家族の安心に応えようとされる証し。制度やルールについての理解をさらに深め、実践の場でその知識が生かされることを期待している。」(〜第9回全国在宅医療テストチラシより一部抜粋〜)

単なる診療だけではなく、外来とは違った診療報酬や介護報酬、多くの制度など在宅医療では様々なルールが重なり合います。当クリニックでは医療事務職だけではなくクリニック内の多職種が知識・制度を知ることは、療養者(患者)様・ご家族が安心して在宅医療を受けられる一部になると思っています。

クリニックの理念にもあります「いつまでも住み馴れた場所で安心して暮らし続けられる地域づくり」や療養者様・ご家族の周りを取り巻く関係者の方々が安心してサービスを提供していただける様、日々努力していきたいと考えています。

10月中旬には解答用紙が戻ってきます。個人の点数、クリニック内順位、全国順位が出ますが、点数や順位にとらわれず今後も今以上に知識や制度の理解を深め、質の高い在宅療養支援診療所クリニックを目指します。
看護師 野木森
2018年8月30日
「第5回クリニック内定例会議を行いました」
8月30日に定例会議が行われました。定例会議では月に1回クリニックの理念の共有、運営目標の確認、活動の確認をしています。今回は、外来診療・訪問診療・訪問看護について、それぞれのリーダーからの報告、目標、改善について話し合いがされました。また年間計画、クリニック内の研修の振り返りなどを行いました。

ローレライ麦酒館定例会議終了後スタッフ全員で「ローレライ麦酒館」へ行き、美味しいランチバイキングを頂きました。食事会では鈴木先生をはじめ木曜日に診察に来てくれている田所先生、看護師、事務員全員でとても楽しい時間を過ごしました。
ローレライ麦酒館 ローレライ麦酒館 ローレライ麦酒館
私は入職してちょうど一年が経ちますが、スタッフそれぞれが医療、看護に対して素敵な想いをもっているクリニックが大好きです。患者様にこうして結ファミリークリニックの想いが伝わり、いつまでも安心して生活できる社会を目指して行けたらと思っております。
事務 駒田
2018年8月21日
「ビジネスマナー社内インストラクター養成研修に参加してきました」
7月31日の三厨万妃恵先生をお招きした研修を受講した後、クリニック内でも今までの対応がどうだったのかを振り返り、話題に上がることもありました。関わらせていただく方々に対する私たちスタッフの気持ちをお届けする一つのツールとして、ビジネスマナーの大切さにスタッフ一人一人が気がつき、実践に移し始めています。

しかし、今までの習慣を変える事は簡単なことではなく、研修で学んだ内容も日々薄れてしまうこともあります。「あれ、どうだったっけ?」とわからなくなることや、正しいマナーはどれなんだろうと悩む場面も多々あります。

ビジネスマナー社内インストラクター養成研修そこで、8月21日に三厨先生の主催する「ビジネスマナー社内インストラクター養成研修」に参加してきました。この研修はビジネスマナーを基礎から学び、その伝え方も同時に学ぶことでクリニック全体のビジネスマナーの定着と向上を図るための研修です。

今まで接遇についての研修を何度か受けた経験がありますが、私自身もそれがしっかり身についていると自信をもって言えるかといえば、そうではありません。11月までの研修の中で、ビジネスマナーとそれを定着させていく仕組みを学び、クリニック内のマナー向上の取り組みをしていきたいと思っています。
看護師 一色君佳
2018年8月18日
「連携職種とデスカンファレンス」
当クリニックでは定期的に、様々なシーンに合わせデスカンファレンスを行っています。今回名古屋市立西部医療センターから退院され、ご自宅でお看取りされた方に関わった多職種の皆様をお誘いし、デスカンファレンスを開くことができました。
デスカンファレンス デスカンファレンス デスカンファレンス
今回のケースでは、退院調整から意思決定支援、日常生活支援、グリーフケアまでの振り返りを行い、それぞれの職種が困難さや葛藤する気持ちを表出し、課題の抽出を行いました。

病状の進行が早く、関わるスタッフが立ち止まって考える猶予のない療養者様でしたが、今回のデスカンファレンスでは、多職種すべての方がご本人ご家族の最善を考え、同じ方向を向いてそれぞれの役割を果たそうと努力してくださったのがわかりました。

・病棟で本人の思い・言葉を拾い、繋げてくださった病棟看護師の方々
・退院に当たり、試験外泊をしながら課題をみつけ、スムーズな退院に結びつけてくださったケースワーカーの方
・外泊支援、退院後の日常生活を支えてくださった訪問看護師の方々
・ご家族・ご本人の望みを否定せず、納得がいく福祉用具を選定し、何度も足を運んでくださった福祉用具の方

デスカンファレンスひとりの人生の最終段階に関わる多職種がチームとなり人生の総仕上げを共にできたことを、感謝しております。今後もご本人ご家族の希望に寄り添えるよう、当院もカンファレンスを繰り返し、質の向上を目指し成長していきたいと思います。
看護師 水野
2018年8月16日
「マナー研修を振り返って」
マナー研修7月末日、有限会社キャリア・サポート代表取締役の三厨万妃江先生をお招きしビジネスマナー研修を行いました。

当初、私の中では医療現場に「ビジネスマナー」をどのように関わっていくのだろうと思い、人と人との関わる中での必要なマナーを身につけていこうという思いで研修させて頂きました。

4月に就職し、患者様や事業所様の窓口対応・電話対応を医療の知識がないと円滑に仕事を進めていけないなと日々思いながら仕事をしていました。その中で、今回の研修で「ホスピタリティ」という言葉に心動かされました。

ホスピタリティとは「心からのおもてなし、相手を大切にする気持ち」なのですが、どの医療現場でも重要な事ではありますが、特に在宅医療の現場において日々患者様・ご家族との繋がり、他業者様との繋がりを大切に思っている中で特にこのホスピタリティは重要な事だと痛感しました。しかし思っているだけではダメなので行動に移しより良い診療になっていけばいいなと思っています。

身だしなみや挨拶・言葉遣いなどの見た目から分かるマナーでは、クリニック内では「電話応対」「名刺交換」など個々の課題が多くだされ、この先ルール化をしていこうと話し合いも行われました。

普段でしたら大人数での講義・研修をなさっている三厨先生ですが、当院12人に対して研修して下さりとても有意義で贅沢な研修となりました。
医療事務 青山
2018年8月15日
「日本地域看護学会 第21回学術集会 発表」
日本地域看護学会 第21回学術集会 発表8月11日〜12日に長良川国際会議場(岐阜市)にて開催された学術集会で研究発表をしてきました。

結ファミリークリニックの入職前、岐阜県立看護大学大学院で「訪問看護ステーションの看護の質」を研究テーマとして修士論文をまとめた経緯があり、その研究の一部をさらに焦点化し研究発表しました。

日本地域看護学会 第21回学術集会 発表訪問看護ステーションでは看護師のキャリアに応じた人材育成教育プログラムが確立していないことが多く、特に小規模の訪問看護ステーションでは受持ち制で看護師の知識や経験的視点でケアが提供され、看護師がサービス提供に係る悩みを抱えても組織的な支援が十分得らない現実があります。

よりよい看護実践の改善と充実を図るための基盤は教育であると考え、利用者、家族の望む生活の実現に向けた事例検討会を開催し実践と連動した取り組みを行い、訪問看護師への支援を行った内容を発表しました。

日本地域看護学会 第21回学術集会 発表人口減少、少子化、超高齢化など様々な社会の変化に伴い、ヘルスニーズも多様化、複雑化していきます。私たち専門職はその変化に即した看護実践が求められています。そのためには、常に探究心を忘れず、よりよい看護実践が提供できるよう学びの姿勢を忘れずにいたいと思います。
看護師 長田
2018年8月10日
「愛知県たんの吸引等指導養成伝達講習」
愛知県たんの吸引等指導養成伝達講習愛知県健康福祉部より「平成30年度第1回愛知県たんの吸引等にかかる指導者養成伝達講習(第1・2号研修)」の講義、演習指導担当を仰せつかり、8月7日、8日と参加させていただきました。
名古屋城今年で「介護職員による喀痰吸引等の制度」が施行されて6年が経ちます。名古屋城を見下ろすロケーションの愛知県自治センターで開催され、高齢者施設、障がい者施設、訪問看護ステーションの看護師80人程度が受講されました。
講習会場当クリニックからも4月に入職した看護師一色が、受講者として併せて参加しました。これでクリニック看護師の5人がこの伝達講習会を修了しております。

当クリニック院長が神経内科医である為、「平成29年度結ファミリークリニック利用者疾患別統計」では神経筋疾患の方の利用が30%(「平成28年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査」では7%)と神経筋疾患の方のご利用が多い状況です。

その中の数人の方は日常生活を営むのに、吸引や経管栄養など医療的ケアを必要としております。又、看とり期に一時的に医療的ケアが必要になる方も年に数人おられます。

医療的ケアが必要になった際も、安心して住み馴れた場所で暮らせるよう地域資源である「医療的ケアのできる介護職員」の育成に寄与できるよう今後も活動を続けて参りたいと思います。
看護師 須田
2018年7月15日
「劇団・結 第2弾」
劇団・結平成30年7月10日、日の出団地へ出前健康講座に参加させて頂きました。

前回は楽田ふれあいまつりにて劇団デビューをし、好評をいただきまして今回、第2弾開催の運びとなりました。4月よりスタッフが増え、今回は鈴木先生・看護師・事務員、総勢12名で構成。

テーマ「いつまでも住み馴れた自宅で暮らし続ける為に…」

劇団・結ストーリーは、認知症の夫・与平(90歳)と夫を支える妻・あゆみ(90歳)のふたり暮らし。ここ最近与平の認知症が進行して、あゆみの介護負担が大きくなり、困っていた。自宅での暮らしが希望の与平が今後も自宅で暮らせるよう、高齢者あんしんセンターに相談。

劇団・結介護保険の申請方法や、訪問診療の利用の紹介。その後は介護度が決まり、自宅でサービス担当者会議が開かれ、さまざまなサービスの説明、検討後プランが決定し、与平・あゆみもひと安心。これからもいろいろな人に支えられ暮らし続けることができる。という寸劇でした。

劇団・結劇団・結今回は準備期間も短い上、スタッフ全員揃うことが難しく、2・3度通しただけで、ほぼぶっつけ本番でした。当日はセリフを間違いたり、一部セリフの長い場面はカンペを見ながらなどお見苦しい場面がありました。

ただそんな私たちを、100名近くお集まりいただいた日の出団地の皆さんは温かく見守って頂きました。そしてたくさん笑って頂き、日の出団地の方のお人柄がとても伝わり、感謝いたします。また訪問診療について関心を持っておられるようでしたので、気になることなどありましたらお気軽に結ファミリークリニックまでお問合せ下さい。

劇団・結劇団・結終了後はクリニックに帰ってアイスクリームでお疲れさま会でした。

この劇を通じ、事務の私は今回の認知症という病気に今一度向き合うことができました。「認知症」と聞くとあまり良いイメージを持たないこともまだありますが、地域や周りの人々での支えがあって成り立つと思います。皆が理解して温かい目で見守ってもらいたいと思います。

これからもより一層、誰もがお互い助け合うことができる関係性を地域で築けるよう、クリニックの活動も継続して参りたいと思います。
医療事務 井口
2018年7月13日
「VR認知症体験会 報告2」
医療事務の佐藤です。医療事務の立場から「VR認知症体験会」に参加した感想をご報告させていただきます。

VR認知症体験会平成30年6月30日に犬山市国際観光センターにて認知症啓発活動イベント「VR認知症体験会」を行いました。今までの認知症関連の講義とは少し違い、VR(バーチャル・リアリティ)の技術を使って、認知症の世界を一人称体験してきました。

実際に自分が認知症を360度の角度から疑似体験させていただいた事で、認知症のある方の視点に立ち、単なるもの忘れや幻視という言葉だけで済まされてきていたのではないか、また勝手に認知症だからという枠で決めつけていたのではないかと深く考えさせられました。「今だったら、違う対応をしていただろう」とか「違う声掛けの方が良かったなぁ」という場面が自分の中で思いだされました。

今回の体験会を機に、認知症について自分の中やクリニック内で、また地域や社会でと変わっていけたらと思っています。認知症をかくさなくてもいい地域、認知症だから何もできないとか外出できないと決めつけてしまわない地域をめざして、一歩ずつ進んでいきたいです。

VR認知症体験会今回、一緒に参加していただい皆様、後援・協賛・賛助していただい皆様、誠に有難うございました。また定員に達して参加をお断りさせていただいた皆様、誠に申し訳ございませんでした。今後も結ファミリークリニックスタッフ、お揃いのTシャツを着て認知症啓発活動をしていきたいと思いますので、ご協力よろしくお願いいたします。
看護師 佐藤
2018年7月10日
「VR認知症体験会 報告1」
VR認知症体験会VR認知症体験会6月30日土曜日の午後、犬山国際観光センターにてVR認知症体験会を開催いたしました。

50名定員の募集のところ開催前日までお問合せを頂き、実行委員会の一員としては地域の方々の関心事になっている意識の高さを感じました。

VR認知症体験会体験会の企画発足は昨年冬…須田の発案から始まり、鈴木医師と何度も話し合いを重ね、年明けに所沢の体験会に実際に参加。シルバーウッドさんの企画内容に感銘を受け、この犬山でも同じ想いや悩みを抱えている方々と共に課題解決する糸口となればと思い企画してきました。

介護をされているご家族、開業医の先生や総合病院勤務の先生、行政、居宅支援事業所のケアマネジャー、訪問介護事業所・介護施設の介護職、総合病院勤務・訪問看護ステーションの看護職の方々に体験をして頂きました。

VR認知症体験会VR機器を手にとるまでは、「どのような体験会になるのか?」という期待と不安な様子が会場から感じられました。

しかしVR機器を手に取り、視覚と聴覚から認知症体験をした後は、

「このような世界が日常見えているのか?!そのような世界で生活しているのか?!」
「体験することで認知症の方の世界が少し理解できた」
「認知症の方が困っている時は、その方の気持ちに寄り添った声を掛けたい」
「笑顔でいて欲しい」
「笑顔で手を差し伸べられる優しい街にしたい」

など、体験を通して、認知症の方を理解した上で「何をしたら良いのか」という更なるアクションの意見がたくさん述べられました。

VR認知症体験会
VR認知症体験会
シルバーウッドのファシリテーター黒田様からVR作成の秘話や講話に参加者の皆様が引き込まれ、自然にグループ内で意見交換をし合う光景は、この会を「1回限りで終わらせてはいけない」「発信・発展していかなくてはいけない」と実感しました。

ご参加くださった皆様、またこの会への賛同・後援・協賛して下さいました皆様、誠に有難うございました。このような活動は続けていきたいと考えております。どうぞ今後ともご意見・ご協力宜しくお願い致します。

VR認知症体験会VR認知症体験会サッカーW杯開催期間中でしたので、熱い想いを込めてバックボードを記念に作成しました。写真から伝わりますかね?とても和やかな雰囲気♪

VR認知症体験会
認知症を患ってみえる方、そして介護されているご家族が、“いつまでも住み慣れた場所で生活できる”そんな想いを実現するために…。
看護師 長田
2018年6月17日
「今年も新しい仲間が加わりました」
先日の中日新聞に、吉野宏さんの「祝婚歌」という詩が紹介されていました。

二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい

この詩は、結婚した二人だけで留めておくのはもったいないと思いました。

今年度に入り、二人の非常勤医師と二人の看護師、そして二人の事務が新しく仲間に加わりました。新しい仲間ができれば新しい関係ができてきます。その新しい関係から胸躍るような豊かな可能性が生まれるよう、正しさを求めるより弱さや愚かさを含めて、お互いの良さを認め合えるような関係を創っていきたいと思います。
院長 鈴木欣宏
2018年6月2日
「定例会議を行いました」
5月30日に定例会議が行われました。毎月の定例会議では理念や運営計画についての確認と周知を行っております。

今回は4月に入職したスタッフの一ヶ月間の振り返りと、今年度の目標についての発表が行われました。スタッフ全員が今年度の目標を持ち、主体的に行動できるように全員の目標について共有しています。それぞれがクリニックの中で役割を持ち、療養者様のケアへ還元できるように活動していきたいと思っています。

定例会後のランチその後は全員で「大安」さんに移動し、ランチタイムです。鈴木先生と山田先生を囲み、楽しい時間を過ごしてきました。

美味しいもので英気を養い、スタッフとの絆も深めとても楽しい時間でした。鈴木先生にはいつも美味しいものを食べさせていただいており、太ってしまいそうと嬉しい悲鳴を上げてます。
定例会後のランチ 定例会後のランチ 定例会後のランチ
クリニックではスタッフそれぞれが熱い想いを持ち、療養者様とご家族の暮らしを支えていきたいと活動しています。その想いを日々の診療でお届けしたいと思っています。
看護師 一色君佳
2018年6月1日
「第2回 結楽サロン」
梅雨に入る直前の良く晴れた6月1日。クリニックで結楽サロンが行われました。私にとって初めて関わらせて頂いた今回の会は、大切なお父様、お母様、ご主人、奥様を看取られた 計6名のご家族様にご出席頂きました。
結楽サロン 結楽サロン 結楽サロン
会は、皆様がどう介護され今何を思うか。自己紹介を踏まえながらお話し頂きます。その中で「私もそうだった」「私はこう思うようにしている」など、それぞれが辛さや悲しみを共感し表現しあい心の扉を開けて行かれます。

「最後に奥様から大好きと言葉をもらった」
「結楽サロンに来る事から、新しいスタートを切るつもり」
「奥様の姿は見えなくても側にいる」
「在宅医療を早く知っていればよかったかもと考えることがある」
「本人の希望を尊重して看取れたが、良かったか悩む事もある」
「自宅で不安や葛藤はあったが頑張れた感じする」

それぞれに、故人を愛するが故に抱える心の変化をお話し頂きました。表出して頂ける事に感謝し、また、表出され心の整理のお助けができればとスタッフ一同涙ながらお聴きしました。
結楽サロン 結楽サロン 結楽サロン
今回、ご出席頂いた中のご家族からとても素敵なお言葉を頂きました。
困難に向かいあった時想像してみるといい
3時間後の君、涙は止まっている
24時間後の君、涙は乾いている
2日後の君、顔をあげている
3日後の君、歩き出している
人間はそういうふうに生きているんだ

時間の経過は個々のペースがあると思いますが、この言葉の様にご家族様も生きて行って頂きたい。

結ファミリークリニックは、故人もご家族も大切なファミリーです。決してお一人にはしません。皆様の心の中に暖かな種がまかれ、故人と育まれた土から永遠に消えない優しさと強さを持った花が咲きますように…。
2018年5月31日
「和嚥の会 試食・報告会が行われました」
去る5月29日、犬山の料亭 関西様にて「和嚥の会」が行われました。私にとっては入職してから初めての参加となり、皆様に感動をお届けしたいと思います。

和嚥の会

和嚥の会
まずは、一番気になる食事。松花堂に入った4つの小鉢たち…なんということでしょう。とても綺麗。一気に食欲増進です。

食べてみてこれまたびっくり。大根にみえた(大根ですが)煮物は、一度うらごしされ寒天で大根の形にきちんと成型されています。桜豆腐、茶碗蒸し、豚の角煮…さすが、関西さま。しっかり出汁の味がし、見た目もしっかり料亭仕様。

申し訳ございません。嚥下食(柔らか食)と侮っていました。肝心の飲み込みやすさですが、あんかけにしてあったりうらごしされていたり。飲み込みやすくなっています。

また、今回は市議会議員様、訪問看護ステーション様、栄養士様、施設職員様、そしてパーキンソン友の会の方々と様々なお立場の方、総勢40名余りの方がご参加下さいました。各方面から意見を頂き、課題をみつける事ができました。
和嚥の会 和嚥の会 和嚥の会 和嚥の会
嚥下ができないことから外食の楽しみが減ってしまうご高齢者、療養者様、そして、ご家族様。その方たちの記念日などにみんなで一緒に食べれる環境を増やして行きたい。そのために…と和嚥の会の強い想いを実感できました。「この会の活動を続け、地域につなげていきたい」と感じています。

今回は料亭のご協力を頂けましたが、食いしん坊の私は様々な料理が食べたいなぁと思っています。きっと、皆様もそうだと思います!さぁ、各店舗の職人様!ともに進みませんか?お待ちしております!
2018年5月28日
「平成30年度 人生の最終段階における医療体制整備相談員研修会 E-FIELD 春日井2018に参加してきました」
5月27日(日)春日井市民病院で開かれた上記の研修に、須田看護師、一政看護師、長田看護師と共に参加してきました。難しそうな題名ですが、要は「人生の終わりが近づいてきて来ている時、もしも急に生命の危機がおとずれた時、どんな医療ケアを望むのか事前に話し合って、あなたの思いを汲み繋げよう」という支援と相談ができる相談員を育成するプログラムです。果たして、当院看護師4名は立派な相談員になれるでしょうか?

この研修に参加するに当たって、事前にパソコンでeラーニング「アドバンス・ケア・プランニング基礎知識編」を1−2時間学習し、終了証を持参しての研修参加となります。初めから、なかなか濃いプログラムです。

人生の最終段階における医療体制整備相談員研修会春日井市民病院では、講義、グループワーク、ロールプレイと朝8時半〜17時半までみっちり学習。実際初対面の他医療関係者の方々とテーブルを共にし、医療者役、患者役、家族役と振り分けられ演技に没頭しました。自分ならどんな言葉で患者家族の思いを引き出そうか?どんな表情でどんな雰囲気なら話しやすいだろうか?と頭を使い、研修途中チョコレートで糖分補給しながら何とか皆で乗り切りました。

日々の診療のなかで、本人らしさを考え、本人の「今」だけでなく長い人生の歴史を知りながら関わりを持つよう心掛けていますが、今回の研修でそれを言語化し、多職種を交えて話し合いを繰り返しながら、本人の「最善」を共に考え意思決定を促していくことが重要だと学びました。深い学びがあり、当院でも地域の皆様と取り組んでいけることを希望します。

人生の最終段階における医療体制整備相談員研修会この日記を読んでくださった方、自身の人生の最終段階について考えるきっかけとなっていただけたらと思います。

研修は秋に続きます…。
看護師 水野
2018年5月21日
「平成30年度介護職員等による痰吸引等研修(第3号研修)開催中です」
平成30年度介護職員等による痰吸引等研修先日、平成30年度介護職員等による痰吸引研修2回目が日本福祉大学鶴舞キャンパスで開催されました。個人的には第一回目は演習に参加し、今回も鈴木医師の全面的なバックアップもあり当院看護師須田、長田看護師と共に3人で分担して講義から関わっています。

認定特定行為業務従事者の認定内容として「喀痰吸引」「経管栄養」があり、研修も1号、2号、3号研修はそれぞれ講義時間も異なります。一見複雑な制度ですが、総じて言えるのが「在宅で活躍するケアワーカーさんは大事な資源で彼らの身を制度で守りながら、互いに安全で安心できるケアの提供」をするための制度と考えています。

当日は、クリニックのある犬山市の事業所からも受講者がいました。嬉しい限りです。そのほかにも、外国籍の受講者も複数名参加しており、講義を進めながら難解な専門用語が理解できるか、伝える内容を確実に理解できているのか表情を見ながら進めていきましたが、次回6月中旬に演習後に行うテストが全てです。お伝えする側は非常に緊張感あふれる時間となりました。

折しも6月5日「犬山市障害者自立支援協議会 第一回子供部会」開催に際し、クリニックにもアナウンスがあり前述看護師3人で参加しました。今年度の課題の中に「医療的ケア児の支援に関する協議の場について」とありました。「福祉に携わる方達が抱えている内容が何か」を吸い上げ犬山市での活動の場を持つことが出来たらとも思いました。私たち講師側の実力も問われますが、一人でも多くの受講者が在宅で活躍されることを願って止みません。

因みに、講義当日の反省会は看護師3人で夜更けまで続きました。杯を進めても頭の中が覚醒し続けるのは、受講者の方々の緊張感をパワーとして受け取ったからでしょうか…。今後に続きます。
看護師 一政
2018年5月2日
「クリニック看護師と共に東京へ〜!!」
医学会

医学会
4月29日・30日とグランドプリンスホテル新高輪で行われました「日本在宅医学会 第20回記大会」に初参加してきました。

「いのちと生活を支える医療介護多職種チームの使命〜病院・行政・市民とともに取り組む町づくり〜」をテーマに、新高輪の12会場で様々な演者の方々が講演・発表を行ってくださいました。

看護師さんに誘導してもらいながら慣れない新幹線に乗り、話が進みせっかくの富士山も見逃しつつも、クリニックから飛び出しスタッフと共にこのような機会に足を運べること…鈴木医師に感謝感謝です。

何十種類もの講題で構成された1日のプログラムとにらめっこし、自分が聞きたい講演は何かを吟味し1日のスケジュールを立てました。広いホテル内の会場を歩き回り、夕方には靴下の跡がついてしまうくらい浮腫みながらもとても有意義な時間が過ごせました。事務員としてクリニックで何が出来るか、地域とどのような形で町づくりが出来るか等、現状を考えさせられる2日間となりました。

人生初の医学会の参加に胸をときめかせ長いようで短かった2日間でしたが、テーマにあります「病院・行政・市民とともに取り組む町づくり」が、まずはクリニックとしてどんな事が出来るか日々考えながら地域作りに取り組んでいこうと思います。
看護師 野木森
2018年5月1日
「尾北ホームニュースに掲載されました」
尾北ホームニュース掲載4月10日開催しました「和嚥の会(わえんのかい)」の取り組みについて、4月27日の尾北ホームニュースに掲載されました。

病気の影響から飲み込みの障害があっても、「美味しくて食べやすい食事が家族で外食を楽しむ事ができるお店」このコンセプトで発足した「和嚥の会」。

訪問先の患者様とご家族様や地域の方々から「新聞読みましたよ。そう言う食事が食べに行ける場所が有るなら、家族と一緒に食べに行きたいのでどうしたら良いですか?」等のご質問が多々ありました。私たちの予想以上の手ごたえのあるお声を掛けて頂きました。

丹精込めて作ってくださったお料理を口にされた時の皆様の笑顔。「いつまでも美味しいものを食べて頂きたい」…そんな願いを叶えたいと再認識しました。

一歩踏み出した「和嚥の会」ですが、5月29日には「関西」さんで報告会・試食会を予定しております。ご興味ある方は是非!ご連絡お待ちしています。
看護師 長田
2018年4月26日
「看護師・医療事務 新入職スタッフ自己紹介」
先日、ご紹介いたしました新スタッフが入職して10日が経ちました。簡単ですが自己紹介をさせていただきます。


看護師 一色君佳今まで病棟看護師として従事してまいりましたが、退院していく患者様、ご家族の背中を見送る度、私はこの方々がその人らしく過ごすお手伝いができただろうかと自問自答してまいりました。

人が自分らしくいられるのは今までその方が歴史を作ってきたご自宅やその地域での生活にあると思っています。医療を必要とする方々が地域の中で自分らしく生活していくお手伝いを在宅チームの一員として皆様と一緒に考えていきたいと思っています。よろしくお願い致します。(看護師 一色君佳)

医療事務 佐藤めぐみ病院の医療事務に長く携わってきましたが、初めて在宅の医療事務に関わらせていただく事になりました。在宅でしかできない事、在宅だからできる事を色々考えながら、住み馴れた場所での医療を少しでも支える力になれたらと思っています。

療養者様やご家族様または多職種の方など、色々な方と関わらせていただく事になりますが、笑顔を絶やさず丁寧で柔軟な対応を心掛けていきますので、宜しくお願い致します。(医療事務 佐藤めぐみ)

看護師 佐藤智子花々が咲き誇る4月。このクリニックにご縁をいただきました。

私が在宅に出会ったのは何十年も前。右も左も分からない頃でした。沢山の教えを頂き志を在宅に定める事が出来ました。ホスピス、施設、訪問看護に携わり様々な教えを頂いてきました。少しは成長してきていると信じています。結ファミリークリニックでより強固なものにし皆様に還元して参ります。

生活の場に足を踏み入らせて頂くことを感謝し、皆様に笑顔と安心を届けたいと強く思っております。よろしくお願い致します。(看護師 佐藤智子)

医療事務 青山愛由美病院にて事務をしていました。日々、事務をこなしていく中、パソコンとのにらめっこばかりで病院の事務としてこれでいいのかと自問自答していました。

そして小さな子供がいるのですが、子育てしていく上でお隣近所地域の繋がりの重要性にも気づきました。当院は患者様、ご家族、地域との繋がりのを大事にしています。その理念を常に心に刻み皆様と一緒に在宅医療に取り組めることを嬉しく思います。(医療事務 青山愛由美)
看護師 須田
2018年4月16日
「新年度 新入スタッフを迎えて」
新年度桜の季節も終わり、藤棚から優雅で可憐な花房が垂れはじめました。

今年度4月は診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬のトリプル改定がありました。今後、更に超高齢社会、人口減少が進みますので、それに備え医療・介護等の在り方の方向性が打ち出されたところです。

結ファミリークリニックも「いま」と「未来」を見据えながら今年度の目標を定め、クリニック内で今年度の目標や活動方針など共有作業がはじまりました。クリニック運営で重要なことは人財(材)育成と理念共有と考えております。

この4月16日にクリニックの「理念」「運営」「活動」に共感をし、同じ時を共にしてくれる決断をした新たなスタッフ5名を迎えました。医師1名(非常勤)、看護師2名(常勤・非常勤)、医療事務2名(常勤・非常勤)の5名です。

いまオリエンテーションがはじまり、既存のスタッフも新入職スタッフも活気ある毎日を送っております。日々の訪問診療・訪問看護で療養者・ご家族の皆さま方、地域の皆様に貢献できるよう、新入職スタッフを含め結ファミリークリニック一同で精進して参りたいと思っております。

後日、新入職スタッフを紹介したいと思っております。今年度もどうぞよろしくお願い致します。
看護師 須田
2018年4月12日
「和嚥の会 4月11日の中日新聞に掲載されました」
中日新聞 4月11日掲載4月10日に開催された和嚥の会「春のお食事会」の様子は医院長がこちらでご報告させていただいたところですが、翌日の4月11日の中日新聞 近郊版に記事を掲載していただきました。取材してくださった中日新聞記者の三田村様、ありがとうございました。

和嚥の会は地域に嚥下食(やわらか食)が広がることを目的としております。この記事をご覧になられ、少しでも関心を持っていただけたら幸いです。

和嚥の会の報告会は5月29日に「関西」さんで開催予定で、試食会も予定しています。興味のある方は是非お越しいただきたく思います。参加をご希望される方は結ファミリークリニックまでご連絡くださいませ。
看護師 須田
2018年4月11日
「和嚥の会 春の食事会」
4月10日に「和嚥の会」が開かれました。

のみ込む力や噛む力が低下してくると、ムセが多くなり食べられるものが少なくなってきます。病院や高齢者施設では嚥下食といってのみ込みにくさに配慮した食事を出してくれますが、地域の料理店ではそういったものはなく、のみ込みの力が弱い方には外食が敷居の高くなってきます。それに対し、私たちは「和嚥の会(和風の嚥下食を楽しむ会)」をつくり、地域の料理屋で嚥下食を楽しむことができるようにする試みを始めています。

和嚥の会 春の食事会その第1回目として、去る4月10日、私たちの訪問先の療養している方を招いて、和嚥の会による花見会を「和食料理 関西」で開くことができました。この日のために私たちは1年かけて準備しました。

店長の小島様に話を持ち掛け、飲み込みやすそうな料理を和食料理の技術で作っていただき、それを私たちが嚥下障害のある方でも食べられるような料理であるかを吟味するという試食会を重ねました。また、私たちが訪問している療養者の方々にアンケートをとり、嚥下障害があって外食したいができない方を選び、嚥下評価をし、車いすの使用や段差の移動などのADLをしらべました。
和嚥の会 春の食事会 和嚥の会 春の食事会 和嚥の会 春の食事会
当日は療養者のご家族様に琴を弾いていただき、皆様を招きました。今年は早咲きですでに桜は散ってしまっていましたが、関西の小島さんが粋な計らいで遅咲きの桜を料理に添え、華やかな春の季節を感じることができました。蓋を開けると見た目も美しい料理で、普段飲み込みに苦労されている方も「安心して食べられる」「おいしい」を自然と笑みがこぼれ、談笑しながら暖かい雰囲気の中で食事を楽しむことができました。
和嚥の会 春の食事会 和嚥の会 春の食事会 和嚥の会 春の食事会 和嚥の会 春の食事会
料理長の猿橋さんは春の香りを楽しめるようにと、通常は料理の上に出す塩漬けの桜の花を、楽に食べられるよう花びらだけを摘んでミキサーにかけ寒天で固め花の形にするという手の込んだことをされたそうです。その他にも随所に細やかな配慮が感じられる料理でした。
和嚥の会 春の食事会 和嚥の会 春の食事会 和嚥の会 春の食事会 和嚥の会 春の食事会
嚥下食を地域の料亭や食品業界に広めようとする試みは、京滋摂食嚥下を考える会ですでに始められており、和食だけでなく和菓子、陶器、日本酒にまで広がっております。これから高齢化社会が進むにつれて、食のバリアフリーがさらに求められていくことでしょう。今回の試みから嚥下食への理解が広がり、私たちと同じ志を持った仲間が集まってくることを心待ちにしております。
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ご協力いただきました和食料理の関西、総合犬山中央病院、ちいきの介護相談室、総合在宅医療クリニック、福祉用具の五月商店の方々に、心から感謝の気持ちと敬意を表します。
院長 鈴木欣宏
2018年4月5日
「結楽サロンを開きました!」
結楽サロン結楽サロン3月30日あたたかな春の陽気の良き日、当院待合室をカフェ風に飾り、結楽〜ゆら〜サロンを開くことができました。このサロンでは、2017年11月から2018年2月まで当院で関わらせていただき、お看取りをされた方のご家族をお誘いさせていただきました。

結楽サロン
結楽サロン
2017年12月に結楽会〜ゆらのかい〜を開催した日記を書かせていただきましたが、この会でのスタッフの反省や展望、ご家族様の声を生かし、今回はサロンという形で参加者皆さまが同じテーブルにつき、思い思いに語らい、ご家族同士も同じような経験を分かち合っていただくスタイルになるようにと配慮させていただきました。

また、お看取りした時期にも気を配り、同じような時期に大切なご家族を亡くされ悲しみの過程が同じようであれば、なお共有しやすいサロンになるのではないかと考えました。

結楽サロン結楽サロン13家族に招待状を送り、6家族7名の方に参加していただくことができました。

招待者のご家族様は皆それぞれに、お茶菓子を持参してくださり、甘いものでテーブルは埋め尽くされ、当院の即席カフェはとても豪華なものになりました。

結楽サロン自己紹介から始まり、故人の思い出を語り始めると、「喧嘩する相手がいなくなって寂しいです」「まだまだスーパーで夫婦2人で買い物している姿をみると、悲しさが込み上げます」と涙ながらに正直に胸の内を語ってくださった方、「お店を守って行ってね」という遺言を守り力強く一歩を踏み出している方、「在宅医療・スタッフの対応に満足です」とお話ししてくださった方…思いは様々ですが、家族のようなあたたかな雰囲気に包まれご家族同士もお話も弾んだようです。このようなグリーフケアが私たちスタッフの励みにもなり、悲しみの中にいるご家族の方も外出の機会となったり、気分が楽になったりとお互いに良い効果になったのではないかと思います。
結楽サロン 結楽サロン 結楽サロン
結楽サロンわたしたちスタッフは、住み馴れた在宅の場でご本人・ご家族の意向に耳を傾けながら最後の時まで責任を持って見届けたいと思い、日々今できる最大限の気持ちで関わらせていただいております。そして、見届けた後もこうして関わりを持ち続け、寄り添いサポートしていくことこそ地域作りの一助になることを願っております。

次回は6月頃にサロンを開きたいと思いますので今後ともご支援ご協力よろしくお願いします。
看護師 水野
2018年3月16日
「認知症・認知症ケア 啓発イベント 映画『ケアニン』上映会&ミニトーク・ライブショー盛会終了のご報告とお礼」
映画「ケアニン」上映会&ミニトーク・ライブショー
映画「ケアニン」上映会&ミニトーク・ライブショー
去る3月10日(土)犬山市国際観光センターフロイデ フロイデホールにて定員200名を上回る方々にご参加いただくことができました。

犬山市内からも多数ご参加いただき、横浜や兵庫、名古屋市内などからも今回の企画に関心を持っていただき沢山の方に足を運んでいただきました。私たち実行委員のメンバーにとって大きな喜びとなりました。ご参加・ご協力頂けたすべての皆さまへ感謝申し上げます。また、後援をいただいた「犬山市」や協賛くださった「総合病院犬山中央病院」様にも重ねて感謝申し上げます。
映画「ケアニン」上映会&ミニトーク・ライブショー 映画「ケアニン」上映会&ミニトーク・ライブショー 映画「ケアニン」上映会&ミニトーク・ライブショー 映画「ケアニン」上映会&ミニトーク・ライブショー 映画「ケアニン」上映会&ミニトーク・ライブショー 映画「ケアニン」上映会&ミニトーク・ライブショー
映画「ケアニン」上映会&ミニトーク・ライブショー映画「ケアニン」につきまして、アンケートにも「大変満足」の評価を多くいただました。特に認知症のある方々を日々支えているこの地域の「ケアニン」の方々からも、「日頃の出来事や想いが映画の中に描かれ共感できたり、想いを強化された。大変勇気づけられる映画だった」とのご意見・ご感想を沢山いただきました。

医療・福祉に携わる者がそれぞれの方の「これまでの人生に寄り添い支援」できることは、自宅だけでなく地域のどこに暮らしていても自分らしく最期まで生ききることができる地域づくりの根幹となるもののひとつと考えます。

今後も日々の訪問診療・訪問看護の中で起こる事象に対し耳を傾け、心を傾け、クリニックに必要なこと地域に必要なことを一つひとつ具現化し一歩づつ歩んで参りたいと思います。

映画「ケアニン」上映会&ミニトーク・ライブショー映画「ケアニン」上映会&ミニトーク・ライブショー会の途中ではゲスト香川裕光さんの映画主題歌「星降る夜に」を歌っていただき、優しくきれいな歌声に心を撫でられました。香川さん、ありがとうございました。

映画「ケアニン」上映会&ミニトーク・ライブショー最後にこの会の準備を何ヶ月も前から忙しい日々の訪問診療・看護の合間にそれぞれが手分けをしてチームワークよく尽力してくれたスタッフと、地域貢献にと大きな決断・実行をされた鈴木医師に感謝致します。

次回は、6月には「VR認知症体験会」を予定しています。詳細はこのホームページにてお知らせいたします。また、多くの方々と時間を共にし、想いを共有したいと思います。
看護師 須田
2018年3月12日
「東日本大震災から7年になります」
東日本大震災の救護活動に行った時、受診されたご高齢の女性が語った言葉が心に残っています。大学生になった孫のことを「両親がまだ行方不明なのにな、避難所で親のいない子供たちの面倒をみていてな、この短い間に随分成長したもんだ」と話されました。苦難を乗り越え成長していく方々に対し、短絡的に助けの手を差し伸べようとする自分の未熟さを恥ずかしく思いました。

あの経験から何を学ぶべきなのか、考え、迷い続けています。現在、在宅医療をしているのも、迷いながらたどりついた行き先の一つでした。町全体が破壊されたとき、医療だけでは人を助けることはできないことが分かりました。医療を支える多職種のネットワークや物流、さらには地域の人のつながりや生活すべてが必要でした。

災害で町のつながり自体がなくなってしまったとき、訪問診療をしていた診療所は自らが街に出かけ、病院へ受診できない人たちの元に行って診察し、徐々に地域のつながりを取り戻していったそうです。病院は多くの重症患者を助けることができますが、訪問診療は町のなかに入り込んで様々な困難な状況にも浸透するように対応していきました。

これからは、訪問診療のようにしなやかな医療が必要な時代なのだと考えています。高齢化・人口減少時代になると、地域のつながりを維持することがこれまで以上に難しくなってきます。困難な状況に対応していくため、その時に地域に入り込んで地域の人たちと連携を組み、地域を支えていくことが在宅医療はできると考えています。

震災から7年が経ちますが、まだ災害は集結しておらず避難も続いております。お見舞いを申し上げるとともに、一刻も早く東北が復興することを心から願っております。そして、私たちも東日本大震災で被災された方々の声ならぬ声に耳を傾け、私たちがいま生活する場で生かしていきたいと思います。
院長 鈴木欣宏
2018年2月26日
「Mさんからの手紙〜桃の節句に寄せて〜」
2月3日の節分を過ぎ、関東や北陸で大寒波が押し寄せるなど寒さの厳しい毎日が続き、クリニックの訪問診療も白い息を吐きながら「寒い、寒い」と背中を丸めて過ごす中、一通のお手紙が届きました。差出人のお名前を確認するために封筒の裏を見ると、2017年秋に闘病の末ご自宅で奥様を亡くされたMさんの名前が記されていました。Mさんは以前ブログでも掲載しました「結楽の会」にも参加されました。

当時奥様の看取りをされて1ヶ月程経った後、ご自宅に医師とスタッフで訪問した際に「外出をする機会に乏しい。人と話す機会が減った」と言い、私たちがとても気にしていた方です。結楽の会当日はお話も弾み、笑顔も見ることができて安堵したことを覚えています。お話の内容も機転が利き、聞く方を引き付ける話題の豊富な方です。

何かお知らせかな、どうしたのだろう?と思いながらお手紙を拝読すると、亡くなった奥様がご自身の為に夫婦で選んだというお雛様を無事飾り終え、寂しさも入り混じる中、彼女に語り掛けながら愛でていますといった内容でした。娘さんにも買っていたし、お孫さんにも購入したのだが、自身のお雛様が欲しくなり夫婦でお店に出向きたくさんの時間をかけて選び抜いたお雛様とのこと…とても優雅な佇まいの京雛の写真が添えられていました。

鈴木医師は早速お返事の葉書をしたためた後に「とても暖かい気持ちになりますね。是非看護師の皆さんでお雛様を愛でに出かけてください」と有難いメッセージを頂き、その言葉を待っていましたと言わんばかりに早速Mさんに訪問のお約束を取るために電話をかけました。ここでもM氏節。

看護師 「もしもし、Mさんですか。お手紙ありがとうございました。ミッコのお雛様を見にお邪魔したいのですがご都合いかがでしょうか」
M氏 「少しお待ちくださいね」

〜受話器から少し顔を外し仏壇の奥様に語り掛けます〜
「看護師さんがお雛様見に来たいんだって。いいかな〜」
しばらく間を置いて

M氏 「ミッコがいいよって言っています。喜んでいますよ」
看護師(電話口のM氏と大笑い) 「こちらも楽しみにしています。ありがとうございます。では〇日の〇時に伺いますね」

このやり取りもまた、クリニックスタッフの心をぎゅっとつかみ離しません。

当日は桃の節句にぴったりの少し華やかな色合いの和菓子を持参しお茶の時間に伺いました。お仏壇と京雛の前にMさんが準備くださったコーヒーとお菓子を頂きながら、お雛様を選んだ時のお話や、奥様を亡くされてから今日までの生活のこと、気持ちの変化などのお話を伺い笑ったり泣いたりの時間を過ごしました。短い滞在時間でしたが訪問を心待ちにしてくださったことに感謝しつつ、次回はお宅の傍に流れる五条川を一緒に歩きながら桜見をしたいですねとお約束してお宅を後にしました。
ご遺族との団欒の時間 ご遺族との団欒の時間 ご遺族との団欒の時間
大切なご家族を亡くされた後も季節が移りゆく中で時間は流れていきます。訪問診療を機に出会った遺族の方々にも思いを馳せながら、このような関係を大事にしてゆきたいと思います。〜今後もMさんとの文通・交流が続くことを願って〜

こんにちは 毎日雪の予報ばかりですが、鈴木先生はじめ皆様お元気でご御躍のことと存じます。相変わらず言葉を交わす相手もない日々を過ごしておりますが、ふと思い立ってクリニックの皆様へのお手紙でもしたためたくなりました。

ご遺族からのお手紙「ミッコ(三知子)のお雛様」
立春を過ぎて、仏壇の隣にお雛様を飾りました。去年のはじめ、突然三知子が「私のお雛様が欲しい!」と言い出したのです。孫たちには初節句に京都まで夫婦で出かけて、有名な人形店で誂えたひな人形をプレゼントし、毎年豊田と大垣で飾ってくれていますが、三知子には自分の雛様がなかったので、どうしても欲しくなったようです。あるいは自分の人生の終末を予感したのかも知れません。

きょねんの1月13日でした。さすがに京都まで行けませんでしたが、田県神社近くの人形店まで走って、あれこれ眺めた末にどうにか気に入る内裏様を手に入れました。立春を待ちかねて飾り付け、「ミッコのお雛様!」と満面の笑顔でした。

結局三知子がひな祭りを楽しんだのはその一回だけになってしまいましたが、今年になって節分が近づくと、ひょっとして天国からでも自分のお雛様を愛でたいと思っているかもしれないので、夫として面目にかけて心を込めて飾り付けしました。箱から出したとき、思わず胸があつくなって、涙もろさを隠せない我が身が恥ずかしくなりましたが、無事にセットしてスーパーで入手したひなあられと菱餅をならべたら、写真の三知子の微笑みが大きくなったように感じたのはきっと気のせいでしょうね。旧暦の桃の節句までは飾っておこうと考えていますので、機会がありましたら、どうぞ「三知子だけのお雛様」を見てやって下さい。

まだまだしばらくは厳しい寒さが続きそうです。どうかご健康に留意いただき(プロの方にも申し上げることではないですね)、クライアントの方々の心と体の安らぎをもたらし続けて下さいますよう。

ご遺族からのお手紙女雛が向かって左側、男雛が左側になるのは京風の飾り付けで、関東では逆に飾るようです。我が家は最初の購入が京都でしたから、もっぱら京風にこだわっています。
看護師 一政
2018年2月11日
「VRの世界で体験する認知症の世界」
小雨の降る寒い1月8日連休最終日、須田看護師とVR体験を見学するために埼玉県所沢市に向かいました。

厚生労働省の2015年1月の発表によると、日本の認知症患者数は2012年時点で約462万人、65歳以上の高齢者の約7人に1人と推計されています。厚労省が発表した推計によれば、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、認知症患者数は700万人前後に達し、65歳以上の高齢者の約5人に1人を占める見込みと言われています。

フィードバッグのお手紙今回この体験を見学する目的は、クリニックで掲げる「認知症になっても地域で安心して暮らせる」啓発活動を推進するにあたり、VR(バーチャル・リアリティ)の技術を使って、認知症の人の「世界」を疑似体験する「自分ごと」として認知症への寄り添い方や備えを一緒に考える取り組みを企画するためでした。

フィードバッグのお手紙ヘッドマウントディスプレイとヘッドフォンを装着すると、音と共に360°を見渡せる映像が流れます。この映像と音響の効果で、3次元空間内にユーザーの身体を投影し、空間への没入感を生じさせます。空間内では移動や行動が可能で、動作に応じてリアルタイムに変化や応答が得られます。この最新の技術を使って、「認知症の人が生きやすい社会を作る」ための大きな一歩になると医療・介護の関係者からも注目されています。
フィードバッグのお手紙 フィードバッグのお手紙 フィードバッグのお手紙
☆体験取材したのでリポートします!!
1.「私をどうするのですか?」
建物の屋上でそばにいる人から降りるように言われるが、怖くて足を踏み出せない…。空間の位置関係をうまく認識できない認知症の方がみている世界を再現。

2.「ここはどこですか?」
うっかり居眠りをしていたらどこを走っているのか、わからなくなった。そういえば、どこで乗り換えるんだったけ? 電車の中で目を覚ましたら自分がどこにいるのかわからなくなってしまった認知症の方の世界を再現。

3.「ないものが見える」
この体験内容を監修した樋口直美さんは「私の脳で起こったこと レビー小体型認知症からの復活」の著者であり、患者の立場として体験など執筆活動している。ないものが見える幻視の症状がある「レビー小体型」認知症の方がみている世界を再現。

上の3つのシチュエーションを体験しました。認知症の症状は人それぞれ異なり、見えている世界も違います。「つらいですよね、わかります」と共感することも難しいです。しかし、今回VR認知症体験をすることで辛さを少しだけ共感できるようになりました。頭の中をぐるぐる巡らせて「想像」するよりも、VRで「体験」する方が経験として残るので、共感度が高まると思います。

「認知症には、早期対応が大事」と呼びかけても、症状があることや、症状の疑いがあることを周りに知られたくない、隠したい、認めたくないということが現実です。それを打開するための、VR認知症体験を多くの方々に体験していただき、認知症理解が進み、地域ぐるみで支援できるシステムができればと思いました。

3月の「ケアニン」上映会後に、「認知症の世界を体験する」と称して、6月頃にVR体験の企画を予定しています。認知症の方を介護しているご家族や介護に従事している方、地域で認知症の推進活動をされている方 是非ご参加下さい。詳細な日時は後日お知らせさせて頂きます。
看護師 長田
2018年1月31
「紹介病院へフィードバッグのお手紙」
フィードバッグのお手紙

フィードバッグのお手紙
先日ある病院の看護師さんから、患者様が退院された後の様子を知りたいという声を頂きました。そこで、「フィードバックのお手紙を書こう!」と当院のスタッフ間で意気投合し、早速ですが少しずつ手紙を書き始めています。総合犬山中央病院、小牧市民病院、春日井市民病院へ、退院後の在宅での患者様の様子をお手紙にしたため、在宅での暮らしの様子がわかるお写真を添えて送付させていただきました。

病気が診断されたときから関わっている医療者関係者様、手術や治療期に関わった医療関係者様、それぞれに患者様に向き合い、揺れ動く気持ちに寄り添ってケアをされたことだと思います。その時その時の関わりがあり、患者様への想いも様々にあったことと思われます。当院スタッフは関わった多くの医療関係者様の想いを受け継ぐ役割があります。

お手紙が届き、ある病院からお礼のお電話をいただきました。地域連携室から関わった病棟スタッフへ回覧していますとのことで、在宅でどう過ごし、どんな風に最期を迎えたかが知れたこと、また、病棟で大事にしていたことが引き継がれて在宅で現実化できたとこを喜ばれていました。

今は急性期病院の在院日数が短縮化され、在宅でも安心した療養生活が送れるように退院調整が急速にクローズアップされてきています。病院での関わりが在宅移行後も切れ目なく継続出るよう、当院では地域の在宅医療クリニックとして「継続医療・継続看護」を実現化できるよう努力して参りたいと思います。

今後も紹介病院へフィードバックのお手紙を書き続けていきたいと思っておりますので、少し目を通していただければ幸いです。
看護師 水野
2018年1月29日
「映画『ケアニン』&ミニライブ・トークショーの開催につきまして」
映画「ケアニン」上映&ミニライブ・トークショーこの度、3月10日(土)に犬山市国際観光センター「フロイデ」で映画「ケアニン」の上映会&ミニライブ・トークショーを開催することとなりました。詳細は結ファミリークリニックのホームページのトップ画面にお知らせさせていただいております。

国は新オレンジプランを打ち出し、その基本方針の7つの柱のひとつに「認知症の啓発」があげられております。この映画は「認知症とは」「認知症のケア」について焦点が当てられた映画です。ひとりでも多くのひとが「認知症について」「認知症のケア」について考える時間や切っ掛けとなることを実行委員会メンバー全員が願っております。

私個人は昨年6月の名古屋港区で初上映・舞台挨拶には駆けつけケアをしてきた「あのひと、このひと」、父や母を思いながら涙が溢れました。そして、犬山でも多くのひとに観てもらいたい!と自主映画上映の相談をクリニックでしたところ、院長・スタッフ皆が賛同してくれ実行委員会を立ち上げることとなり今回の上映会開催に至っております。

以前、在職しておりました職場での経験です。認知症の方がおひとりで外出をされ(世間では「徘徊」ととらえられますが、私は「徘徊」ということばを基本使いません。その理由はまた機会があれば書きたいと思います)救急車に救助されたり、近隣の方との関わりや入院先で「認知症のある方」への偏見や誤解、尊厳を無視された対応をされることを幾度か経験しました。憤りを感じるともに悲しく、悔しく、世間はなぜ「認知症のある方」にこんなにも冷淡なのかと思いました。

認知症というだけで、上からものを言われたり、子ども扱いをされたりされなければならないのか。認知症の症状があろうとも、その方も仕事や家庭など築き上げてきたひとであり、それまでの背景や人生、存在自体をも尊ばれなければならないはずです。その経験は「認知症に関わる啓発」の必要を強く感じた経験となっております。

また、その一方で認知症の方を介護する若い介護職員もケアに難渋したり、葛藤があったり、疲弊する姿も見てきました。人口減少がはじまり、高齢化率が高まり、生産年齢人口も減少するなか介護・医療従事者も年々足りなくなる一方ですが、認知症に関わる仕事の尊さや、やりがいの再確認をしてもらえる映画でありエールを送る映画だと思います。「あるあるこんな場面」を感じ、明日への糧にしていただきたいです。ひとりでも多く、この地域で介護の仕事に携わるひとが増えたらと思います。

そしてまた、威厳のあった父や母が周りのことが分からなくなり、自分の身支度もできなくなり、排泄を床でしてしまったり、汚れた下着がタンスから何枚も出てきたり…そんな姿を理解できず優しくしなければと思っても怒鳴ってしまう、叱ってしまう、と苦しむ息子さんや娘さんの姿も見て参りました。「年老いていく父や母を受け入れ」「自分の老いも受け入れる」…そんなことも心の深いところで感じる映画です。たくさんの涙を流し当日のゲスト、シンガソングライターの香川裕光さんの美しい歌声に心洗われる一日になりますことを願っております。

映画「ケアニン」上映会&ミニライブ・トークショー実行委員 須田敏枝
看護師 須田
2018年1月25日
「私らしく食べ続ける〜を支えるヒントを探しに」
嚥下食ノーマライゼーション普及に地域の有志が集う「和嚥の会」も春の開催を控え、着々と準備を進めています。

くらそっと家族や知人と料理屋で食事をする際に、食の細くなった私・食べ物がうまく呑み込めない私・疲れやすく食べることに疲労を感じる私。でも一緒にテーブルを囲む人と「私らしく食べたい」「自分の家族をおいしい食事が食べられる席に連れていきたい」のお手伝いをする「食具」の提案をするために、クリニックスタッフで東海市にある「くらそっと(kurasotto)」に伺いました。そこは「暮らし」の相談窓口・介護ショップにカフェを併設し開放的な空間が広がる素敵な場所でした。
くらそっと くらそっと くらそっと
食べ始めはご自身で、途中からご家族が口に運ぶ際に介助する方が口元に運びやすい形状のスプーン。また、底の部分に突起があり唇や舌の上でトントンと合図することで食事の継続を促すような工夫もされています。お箸には少ない力で食べ物をつかむことができる工夫がされてあります。
リードスプーン リードスプーン リードスプーン
今回は和食の提供ということで木の素材を選びました。食具の口当たりの好みもあると考え異素材のものもチョイス。食事の間に飲む湯飲みも陶器で取柄のある場に馴染むデザインのものを選びました。食器にも目を移すと、ヘリの部分が少し反っておりスプーンを使い皿の端で食べ物をしっかりキャッチできるよう施されています。とろみがついた総菜も汁気をしっかりスプーン内にすくうことができます。大きさを変えて数枚手に取りました。

食具食具を使っての食事店内にはコメント付きで様々な食具が展示されており、それを使ってカフェで食べることもできます。この日は購入したものと同じデザインの平皿に盛りつけられた、おいしい東海蘭麺(パスタ)をいただきました。

本人も席を一緒にする方も、楽しく美味しいと感じる時間を過ごすことができるような提案ができたらと、次回の和嚥の会を心待ちにしている今日この頃です。
看護師 一政
2018年1月5日
「結楽会〜ゆらのかい〜開催御礼」
12月8日師走の寒い中、「第1回結楽会」を当院北隣にある喫茶ラペで無事開催することができました。結楽会では当院で平成28年4月から平成29年10月までにお看取りさせていただいた患者様のご家族に招待状を送付させていただき、今回12家族13名の方がご参加してくださいました。

結楽会(ゆらのかい)この日を迎えるに当たって、グリーフケアについて学び、念入りに打ち合わせ、どんな開催方法が良いか模索してきました。結楽会が「心が解放できる場」「悲しみをふんわりと温かく包み込みこむような場」「心の整理をそれとなく促すような場」でありたいと思い、内容・演出をスタッフの知恵を絞りこの日を迎えました。

結楽会(ゆらのかい)久しぶりにお会いするご遺族の方々との再会は本当にうれしいものでした。顔を見ただけで、笑みがあふれ、手を握り、抱きついてしまうほど、愛おしい気持ちになりました。それは、共に闘った日々の思い出があるからでしょう。

結楽会(ゆらのかい)ご遺族の方それぞれの自己紹介がはじまり、その胸の内を語ってくださいましたが、「人として看てもらえてうれしかった」「在宅医療がもっと広まればいい」「いつでも対応しますという言葉で安心して看ることができました」など、数えきれないほどの素敵な言葉を頂きました。

結楽会(ゆらのかい)そして、シフォンケーキがサーブされ、甘いものを食べながら、他のご遺族の方やスタッフとの歓談の時間になりました。お看取りは様々であり、親、配偶者、子供を亡くされた方、時期もまちまちでありましたので、悲しみの過程や度合いが様々であり、スタッフの心配りが不十分な点もあったかと存じますが、少し心が軽くなってでいただけたでしょうか。
結楽会(ゆらのかい)ゲストにギター、笛を演奏しながら歌って下さる二股洋志さんをお迎えし、「糸」・「日々」・「ふるさと」演奏していただきました。心に染みる音楽に涙を流す方、手をたたく方、一緒に口ずさまれる方…思い思いに故人との思い出がフラッシュバックされたのではないでしょうか。

結楽会(ゆらのかい)今回第1回の試みとして、結楽会を開催させていただきました。何よりも私たちスタッフの癒しの場となり、開院から訪問診療を手探りでやって参りましたが、ひとつひとつ真摯に取り組んできたことへ温かいお言葉をいくつも頂戴いたしましたことを感謝しております。

結楽会(ゆらのかい)今後も質の向上と、訪問診療が地域に広がっていくよう、わたしたちも努力して参りたいと思います。そして、アンケート結果をもとに、スタッフ一同、結楽会の継続を決意致しましたので、今後ともご支援、ご協力よろしくお願いいたします。
看護師 水野
2018年1月1日
「年始のご挨拶」
明けましておめでとうございます。旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。皆様のお陰で無事に新しい年を迎えることができました。

今年はさらに診療の質を高め、特に専門領域である神経難病と認知症の多職種連携を深め、講演会を通じて啓発活動をし、患者様同士の交流などを行っていきたいと思います。3月には映画「ケアニン」の上映会で認知症の啓発活動、4月には「和嚥の会」で和食料理による嚥下食の会を予定しております。

超高齢化社会を迎える「2025年問題」まであと7年となりますが、地域の方々が住み馴れた場所で過ごせるよう、今後も地域づくりを進めていきたいと考えております。新しい年が皆様にとって更に良い年となるよう祈念いたします。今年も何卒よろしくお願い申し上げます。
院長 鈴木欣宏
愛知県犬山市の訪問診療は結ファミリークリニック
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