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ゆいまる日記バックナンバー

2017年12月26日
「年末のご挨拶」
2017年もあとわずかとなりました。皆様はいかがお過ごしでしょうか。この私たちは設立2年目を迎えたものの、相変わらず慌ただしく日々が過ぎていきました。この1年間で4人の新しいスタッフを迎えて少しずつにぎやかになり、11月には医療法人 結となってより社会的な責任が増してきました。その変化に私たちは喜びを感じるとともに、気を引き締めております。

この一年間で、私たちは専門分野である神経内科疾患に関する診療・看護の質の向上と多職種連携を進め、神経難病の勉強会、難病連絡会、家族会への参加をしてきました。認知症についても講演会を通じた理解を含めるために、啓発の推進(寸劇を絡めた講演会)や犬山市主催の認知症初期対応チームへの参加を行いました。

また、癌の看取りについて「一日でも帰れてよかった、を支える」をテーマに退院支援・迅速な対応システム作りをし、看取り期にある本人や家族とかかわる人への悲嘆過程に注目したデスカンファレンスや、逝去された方のご家族と共に偲びの会を開催しました。

その一つ一つに多くの出来事があり、語り尽くせない思いがあります。これらは全てクリニック内のスタッフの尽力と、私たちと関わっていただいた患者様方やケアマネ様、訪問看護様、市役所や保健所の方々など、多くの方々に支えていただいたお陰だと心から感謝しております。

まだまだ先は長く、多くの課題を抱えていると思っておりますが、これからも皆様の思いを私たちの糧とし活動を続けていきたいと思います。今年一年ありがとうございました。それでは皆さま、よいお年をお迎えください。
院長 鈴木欣宏
2017年12月7日
「在宅医療〜おうちに病院がやってくる〜」
2017年11月23日に「NPO法人犬山あんきにくらそう会第20回総会」で講演をさせていただきました。

在宅医療が必要とされる時代的背景とともに、私たちが行っている在宅医療と試みをお話しいたしました。看取り場所は戦争直後に8割程度が自宅でしたが、徐々に病院での看取りが増え1976年に逆転し、現在は8割が病院で亡くなります。一方で、内閣府がとったアンケートで人生の最終段階を過ごす場所の希望では自宅が6割近くを占めており、看取り場所では現実と希望の大きなミスマッチがあることが分かります。

また、高齢化社会の進行とともに多死社会となりますが、これ以上病院の病床数を増やすことはないので病院での看取りの数を増やすことはできず、介護難民・看取り難民が今後増えることが予測されます。つまり、自宅での看取りは多くの人が希望することでありますが、今後強制的に自宅で看取らなくてはならない人も増えてきます。

私たちは、自宅で最期まで安心して暮らせることは素晴らしいことだと考えております。決して施設入所や入院を否定するわけではありませんが、これまで馴れ親しんだ場所で、生活の音や匂い、子供や孫たちの声に囲まれて暮らすことに勝るものはないと思っています。これから施設入所も入院もできないご高齢の方が増えてきますが、安心して幸せにこれまでの生活が続けられるように支えていきたいと思っています。
院長 鈴木欣宏
2017年12月6日
「『日本ALS協会 愛知県支部 患者交流会』に参加して…」
12月3日(日)にウィルあいちで行われた「日本ALS協会 愛知県支部 患者交流会」に参加させて頂きました。この日も鈴木医師はスーパーバイザーとして出席。告知をされて戸惑ってみえる方、今後の治療方法に悩んでおられる方、人工呼吸器を装着して何年もALSと付き合いながら前向きに頑張っている方、ご家族を介護している方々が多数参加され、鈴木医師や患者・家族の経験をもとに活発な話し合いが行われました。

その会の中で とても印象に残ったお二人のお話を書かせて頂きます。お一人は、お母様を介護しておられる高校生の女の子です。「呼吸器をつけてもお母さんはお母さんです。人工呼吸器をつける、つけないだけでなく、お母さんの人生は私の人生。不幸な事ではない。いい経験です。介護をする中で、私は夢をみつけました。それは、人工呼吸器をつけても入れる施設を造りたい。その夢に向かって今勉強をしています」と凛とした表情で語られた内容に会場から大きな拍手が湧き上がりました。

もう一方は、人工呼吸器をつけて10年生活されてみえる方です。「人工呼吸器をつけないと決めることがありますが、死にたくないが本人の本当の気持ちだと思います。介護がついてくるから葛藤するんです」…病気と診断され生活が一変します。様々な悩みを乗り越えながら生活されているお話しを聞かせていただき、強い衝撃と強い意思、メッセージを感じました。

今回2つの家族会に参加させて頂きました。家族会は同じ病気や悩みを抱えている人たちが問題解決のための情報提供の場だけでなく、共感、共有、活動参加、適応への支持、といった患者さん自らの力でエンパワーメントしていく支援の場でもあると考えます。患者さんとご家族がよりよい療養生活ができるために、クリニックとして支援拡充として新たな活動を医師はじめ職員決意を新たにした研修でした。

日本ALS協会 愛知県支部の方々のご協力のもと、参加させていただきましたこと感謝申し上げます。
看護師 長田
2017年12月5日
「お祝いの席で想うこと」
当院のホームページ巻頭にもありますように、この度当院は「医療法人 結 結ファミリークリニック」として新しく迎えたスタッフとともに船出致します。

2016年4月に「いつまでも住み馴れた場所で安心して暮らし続ける地域づくりをします」という基本理念を掲げ、開院当初スタッフ全員初の試みとばかりに夫々の持つアンテナを一杯に伸ばして日々仕事をしてきました。一年が過ぎ、鈴木医師の理念に賛同し縁あってメンバーに加わったスタッフを迎えて更に基盤を固め、経営方針、目標、方針を全員が理解し、希望を実現できるような地固めをしているんだと考えると胸躍る気持ちになります。

お花のプレゼント先日、法人化する際に職員全員で顔を合わせて食事をする機会を得ました。早朝に須田看護師から「先生にお祝いの意を込めて、お花を準備しますのでよろしくお願い致します」とメールが廻ってきました。お昼ご飯を食べながら、鈴木医師にサプライズプレゼント!拍手とともにお花を渡しおめでとうの気持ちを送りました。

お花のプレゼント

お花のプレゼント
「それとですね…」と須田看護師が言葉を続けたと思ったら、「開院してから一生懸命地域の為にと尽力されたスタッフのご苦労を考えると感慨深いものがあります。新しいスタッフを迎え更にクリニックが発展しますように」と…なんと野木森事務、水野看護師、そして私にもとってもキュートなブーケを差し出してくれました。

感激しました。新たに4人チームに迎えたもののバタバタと日々を過ごしていく中で、このように温かい言葉をかけて頂いて涙腺はもちろん崩壊寸前でした。

クリニックスタッフに加わった直ぐ、地域のイベントに参加するために寸劇メンバーに有無を言わせず抜擢し、当日二役をこなした方もいます。(詳細はこちらの日記も見てください。) にっこりクリニックの椅子に座って患者さん対応をしているだけでは済ましてもらえない、当院の波にうまく乗ってくれる人材を掴む鈴木医師…彼は何てラッキーなんでしょう〜。

結ファミリークリニックスタッフ一同毎月開催の定例会議では、次から次へと「地域につながろう」と様々な企画が飛び交います。あっという間に実現するツールを打ち出しガンガン前に進む皆が息切れしないように、周囲が見えなくならないように、途中美味しいものを皆で囲みながら末永く活動していけたらと思います。どうぞこれからもよろしくお願い致します。
看護師 一政
2017年11月24日
「神経系難病患者家族のつどい(ゆめの会)」
神経系難病患者家族のつどい(ゆめの会)11月22日(水)に江南市布袋ふれあい会館で行われた「神経系難病患者家族のつどい(以下、ゆめの会)」で、当クリニックの鈴木医師が「神経系難病の治療と生活」について医療講演をさせて頂き、看護職・事務職も参加させて頂きました。

今回の講演内容は、「(1)自律神経から考える生活」と「(2)睡眠のとり方について」でした。神経系難病患者さんの多くは、便秘、排尿障害、起立性低血圧、不眠、流延等 様々な自立神経症状を呈します。この症状は療養生活に大きな影響を及ぼし、患者さんだけでなく介護するご家族の介護負担感を増大させる要因となります。

当クリニックも神経難病の患者さんが多く、自律神経症状に大変悩まれています。日々診察をさせて頂く中で、この症状について少しで緩和できるよう細かく丁寧に聞き取り、服薬調整や生活指導を行っています。診療する患者さんやご家族の声をもとに、今回ゆめの会に参加されている患者さんやご家族の療養生活で「自律神経症状が少しでも緩和される方法をお伝えしたい」という思いを込めての講演内容でした。

講演終了後、パーキンソン病、シャイ・ドレーガー症候群、大脳皮質変性症、多系統委縮症の患者さんやご家族から、今回の講演内容の便秘、睡眠障害、運動障害の療養方法について多数質問がありました。また講演のあと、患者さんやご家族同士グループで意見交換会が行われました。患者さんやご家族からは、病気の経緯や生活状況をお聞きし、「病気の進行の早さ、病状のつらさや不安な思い、治療への希望、療養生活の工夫」といった患者さんの思いを聞かせて頂きました。

江南保健所の保健師さんのご協力のもと、参加させていただき感謝申し上げます。
看護師 長田
2017年11月20日
「『介護職員等によるたんの吸引等研修(第3号研修)』の最終日、指導を終えて 〜広がれ地域の和・輪〜」
在宅での療養支援をしていく中で医療行為として「痰(たん)の吸引」が必要になることがあります。その担い手が家族だけでは介護負担も大きくなり在宅での暮らしの継続が困難になることがしばしばあります。

以前、私は勤務先でそのようなことに直面し、行き場のない方々の相談を受けることがしばしばありました。この課題を解決するために平成24年に社会福祉士・介護福祉士法が改正され「喀痰吸引制度」ができた際に、愛知県で一番初めに「登録研修機関」(当時カレッジ花梨)の立ち上げを致しました。これは介護職員等が一定の研修を受けると吸引や経管栄養による胃ろうからの栄養注入など携われるための研修機関です。その後も介護職員の方々を育成し、社会資源を増やし、暮らしたい場所で暮らせるようにしていくこの活動に熱い想いを持ち続けております。

結ファミリークリニックへ入職する際、鈴木医師にその活動の継続の理解と協力を仰いだところ、地域づくりを理念に活動している先生は全面的協力の承諾をいただきました。今現在はクリニックでの勤務の傍ら、日本福祉大学社会福祉総合研修センター研究員としてこの研修を継続させていただいております。

介護職員等によるたんの吸引等研修

介護職員等によるたんの吸引等研修
今回、クリニックの訪問地域での開催が実現し、10月11月に「コープあいち小牧センター」さんをお借りして日本福祉大学社会福祉総合研修センターが主催する研修に講師・指導看護師として参加をして参りました。

実際にシミレーター人形を使い手技を学ぶ演習では、結ファミリークリニックからも一政看護師、長田看護師が指導看護師として参加協力を得て演習の指導に当たってもらうことができました。(結ファミリークリニックの看護師は4名全員が「喀痰吸引等指導看護師研修」「医療的ケア教員講習会」を修了しております)

これから生産年齢人口も減少し介護の担い手、医療の担い手が減少しつつあります。地域の介護職員の方々がこの研修を受講され「医療行為」が安全に行えるようになることは、地域の大きな社会資源になると思っております。

当クリニックの訪問患者さんの中にも難病等により今後、継続的に痰の吸引や経管栄養が必要な方も何人かおみえになります。今後も鈴木医師のバックアップの元、この研修で医療的ケアを行える人材育成に関わっていきたいと思っております。

今回の研修は終了致しましたが、次回開催時にはまた告知をしたいと思います。また、併せて愛知県ではこれらの介護職員等へ講義・演習指導・実地指導のできる看護師等のための「指導者養成研修」も2月に愛知県庁主催で開催されます。現在、受講募集をしておりますので、いつでも指導に当たれるよう是非看護師さんで未受講の方は以下のリンクよりお申し込みください。

「平成29年度 第2回 愛知県たんの吸引等にかかる指導者養成伝達講習(第一号研修、第二号研修:不特定多数の者対象)の実施について」(※現在募集は終了しています)
看護師 須田
2017年11月1日
「第3回 和嚥の会」
第2回の報告を終えて、今回は犬山市民健康館さら・さくらの一室をお借りして第3回 和嚥の会が行われました。前回、日本料理関西代表取締役小島さんの「参加してもらう方々も企画する私たちも楽しい時間にしたい」という提案から、鈴木医師より参加者に「自身が考える楽しい提案・設えを考えてきてください」というアナウンスがありました。

和嚥の会

和嚥の会
当日はフードテストを終えて当院がお招きするとした5名の患者様の「その人らしさ・エピソード」を紹介、続いて小島さんが考案された献立の提示がありました。その内容は、前菜から始まるのですが内容を読み進めるにつれ、ふんわりと春の香り立つ雰囲気を存分にイメージできるものでした。

個人的に感嘆の意を抱いたのが、それぞれのお料理を盛り付ける器の表記があったことです。献立にマッチした器は、そのお料理を更に引き立てるものであると再認識しました。味覚・臭覚・視覚で料理を楽しむ準備は整いつつあることを認識しながら次に、それぞれに考えてきた演出案を出し合いグループワークをしました。

「お品書きに○○を書こうか」「皆でそろいの○○をしようか」「○○でお迎えしようか」…部屋の雰囲気、音楽、演出等々、額を寄せ合いだんだんイメージが整いつつあります。今後4月の開催に向けて、更にかたちにしていけるよう会を重ねてまいります。

※和嚥の会−嚥下食ノーマライゼーション:高齢者が自由に料理屋で食事を摂れるようにを大目標として、地域の飲食店で気軽に嚥下食を頼むことが出来る、地域の嚥下食への理解・普及に賛同した者たちが集まり立ち上げた会です。
看護師 一政
2017年10月31日
「劇団・結」
10月21日(土)楽田ふれあいセンターで楽田ふれあいまつりが開催されました。

“劇団・結”で参加させて頂きました。「そんな劇団あった?」と思われますよね!!この度…鈴木先生、看護職、事務職で劇団を結成しました。今回は認知症の講話だけでなく、寸劇を通して認知症について考えて頂ければと思い、役柄に合わせてかつらや衣装など趣向を凝らしました。

劇団・結

劇団・結
ストーリーは、妻と一緒にお茶を飲んで寛いでいた時、何度も同じことを訊ねてくる妻が認知症であることに気づいた定年後の夫が(鈴木先生)、慌てふためきながら娘二人に相談します。

しかし家庭を顧みなかった経緯から協力してもらえず、一人市役所や地域包括支援センターに出向き、接し方や療養方法を教えてもらうといった認知症初期の対応方法についての劇です。

声が聞き取りにくかったり、セリフも抜けていたりの素人劇でしたが、途中何度か会場から笑いが起き、素人劇団を暖かく見守って頂きました。

楽田地区は鈴木先生の生まれ育った地域であり、先生の小学生時代を知っている方もいらしていたそうです。また私たちが訪問診療している患者さんも、小雨交じりの天気にも関わらず会場に足を運んでくださりました。下手な劇でも暖かくみていただけたのかもしれません。

劇団・結地域に根差した在宅医療を掲げているクリニックとして、地域活動を通して地域の方々と顔の見える身近な存在であること、困った時相談できる存在であること、病気を抱えても安心して暮らせるように支援することを考えております。

今後も地域活動に積極的に参加していきたいと思っております。気軽に声かけて下さい。そして“劇団・結”の成長も乞うご期待下さい。
看護師 長田
2017年10月30日
「男性ケアラー(介護者)のご紹介」
訪問診療にお伺いするご家庭の中には、男性介護者で奥様、お母様の介護をしてみえる方も多くおみえです。今日は奥様を介護しておられ日々こころ温まる「日記」を付けられ、私たちにもお見せ下さる坪内さんに「ぜひ、結〇日記でご紹介したい」と原稿をお願いしたところご快諾下さいました。

下記、坪内さんの日記を掲載させていただきます。

「在宅介護一年生」
「おとうさん 大丈夫?」娘からの電話。妻の介護が始まって8ヶ月になった。ある日突然食べることも、立つことも出来なくなった。話すことも出来なくなった。寝たきりになってしまった。一体何がおきたの?どうしたの?一年ちょっと前の出来事です。

パーキンソン病からくる嚥下障害から肺炎になり、入院治療中、体の機能低下が急に起き、再起出来ない状態になった。発病して丁度20年である。

「おはよう。おむつ替えるよ」と声をかけながら、ベッドを腰を痛めないため55cmまで上げ、おむつを取り替える。手を消毒してから、ヘッドを30度まで上げる。薬3種類と白湯を準備して、胃ろうに注入する。ここまで1時間30分要してしまう。昼・夕・寝る前の4回、薬やら白湯を時刻を決めて注入する日々である。だが、実態はおむつの当て方がずれていて、汚したり、便は看護師さんが来られるまで出すなよと言い聞かせておいても、出てしまうことがある。サアー大変。

「コーヒー飲むか」と声を掛けると「飲む」と声が出たり、目で合図することがある。首や胸・腹部が「かゆい」 ということもある。寒くないかと聞くと「ちょうどいい」 と。パーキンソンの薬を注入後、1〜2時間位経過した時応答する機会がたまにある。私の声は聞こえているだろう。口の周りの筋肉が硬直して発声できないと思う。だから、側にいる時は話しかけ続け、心安らかに過ごして欲しいと願っている。しかし、日常会話が出来ない事はとっても寂しい。まして、一人で料理して食べることはもっと寂しい。

今があるのは多くの支援をいただき成りたっている。退院2ヶ月前ケアーマネージャーさんに病院に出向いていただいた。施設へ預けるか、在宅介護かの意志確認がポイントとなった。私は何もしないで介護は出来ないとは言いたくなく、在宅で介護する決心をした。病院で、おむつ交換、薬の注入、痰吸引等々家に戻ってすぐやらねばならないことの研修を何回も繰り返して受けた。

自宅に戻って以降は、月2回の医師、看護師の訪問診療と週2回の理学療法士、看護師、介護士の訪問介護を受けている。更に週2回、1泊2日のショートステイを利用している。訪問診療、介護スタッフの方々からは、介護で困っていることは無いか、体調はいいかと気を配っていただける。診療が済むと登山の話や穂高山荘で診療されていたことなど、医師とは思えない楽しいひとときを頂戴している。

訪問介護では排便が困難なため毎回浣腸をし、温かいタオルで体全体を拭き、口の中もきれいにしていただいている。看護師さんは私の娘とほぼ同じ年齢でお子さんも上は同年齢である。したがって娘と話しているみたいで、修学旅行に行った話、体育祭の話、中3ゆえ受験の話、料理へのアドバイス等、これまた楽しい一時をいただいている。ショートステイは約40点の薬やタオルなど備品を前日に準備しておき、当日送迎の車にお願いしている。

ショートステイに出掛けた後は私の時間となる。火曜日は太極拳を教わっている。水・金曜日はテニスをしている。しっかり体をほぐしてから、真剣にボールを追いかけさわやかな汗をかいている。喫茶店で1時間位雑談会をし、帰りにスーパーへ寄り食料品を買って帰宅する。でも…なんにもしたくないときがあり、椅子にかけたまま、ボー としていることがある。

在宅介護一年生こうした現在があるのは、今の生活を保ちながら介護が出来るようにケアーマネージャーさんに考え抜いていただいたプランとスタッフさんのおかげである。

私は退院以降毎日反省を込めて日記をつけている。そして、温かい心で接していきたい。
看護師 須田
2017年10月29日
「犬山市生活支援体制整備事業セミナーに参加」
犬山市生活支援体制整備事業セミナー10月28日(土)南部公民館で開催されました。

国は、団塊の世代が75歳を迎える2025年をめどに、地域における支えあいの体制を構築し、高齢者が住み馴れた地域で安心して生活できる体制を整えることを提唱しています。

その為、犬山市内でも「地域に住む誰もが助け合いながらいきいき暮らせる、そんな地域を目指し、新しい支えあいのカタチを地域ごとに作っていきましょう」という第一歩になるセミナーが開催されました。

講師は公益財団法人さわやか福祉財団の長瀬純治さん。「目指す地域像の実現に向けた地域の基盤づくり〜地域におけるそれぞれの役割〜」をテーマにお話し進められ、生活支援体制整備についてわかりやすくご説明下さいました。又、日本全国の各市町で既に実践している内容の紹介などもありました。

内容はこんな感じです。これまでは多くは行政主導からの課題把握をし、サービスの提供をしていく流れでした。これからは、地域の多様な主体(民生委員、旧民生委員、地縁組織、包括、サービス事業者等)により地域の困りごとなど情報交換をし、解決策を検討、場合によっては助け合い活動の創出をしていこうというものです。

今後、地域で築かれていく協議体(組織の責任者は特に決めず、集まるメンバーもルールもこれから決められる)には、多様な主体の1人として地域の訪問診療を携わる者として地域の課題把握の為にも参加していきたいと思います。

これから各地域で地域性を活かした協議体がどのように展開していくのかも興味深いところです。
看護師 須田
2017年10月13日
「結楽会〜ゆらのかい〜のご案内」
結ファミリークリニックが開院し、1年半が経ちました。たくさんの患者様、ご家族の皆様と時間を共にできたことに感謝しております。

結楽会〜ゆらのかい〜この度、当院でお看取りをさせていただいたご家族の皆様とゆっくり語らう時間を持ちたいと結楽会(ゆらのかい)を開催することになりました。今は亡き大切なご家族との思い出を、当院スタッフや他の家族様と一緒に分かち合えたらと思います。是非ご参加いただけますよう、心よりお待ちしております。

日時:12月8日(金)午後2時〜3時半
場所:喫茶ラペ(犬山市字西北野122-2)※当院北隣
担当:一政・水野

尚、案内状を40名ほどのご家族に送付させていただきました。現在20名ほどのご家族から返信があり大変うれしく思っております。「行こうか迷っている…」「どんな会なのかわからない…」「どんな人が来るの…」など疑問点、不安などありましたら、ご気軽にご相談下さい。

当日は、参加をしてくださるご家族と泣いたり笑ったりして、心が浄化されるような会になるよう、スタッフ全員で作戦会議中です。当日は皆様に会えるのを楽しみにしております。

【結楽会〜ゆらのかい〜の由来】
結ファミリークリニックで御縁があった方々が、犬山の楽田でもう一度再開して、楽しい時間を過ごしませんか。と言う意味を込めて命名しました。この会が来年も再来年もずっと続き、広がっていくことを願っています。
看護師 水野
2017年10月10日
「犬山市民総合大学」
犬山市民総合大学9月29日に、犬山市民総合大学で「在宅医療について考える」というテーマで話をさせていただきました。前半は在宅医療について、後半は在宅医療が出てきた時代背景について説明しました。

戦前は自宅での看取りが普通で8割が自宅で亡くなっていたが、戦後徐々に病院で亡くなる方が増え、最近では8割以上が病院で亡くなり自宅で亡くなるのは数%まで減っている。今後は高齢化に伴って亡くなる人の数が増えるが、病院の病床数が増えないため必然的に看取り難民、延いては介護難民が増えてきます。

その受け入れ先として、在宅医療が注目されています。一方、医療を受ける側としては、自宅での介護・看取りを希望されているのが6割程度であり、現状とはかなりの格差があります。最期まで慣れ親しんだ自宅で生活しようとしても、それができない現実があるという意味です。

それに対する国の政策として進められているのが地域包括ケアシステムです。これは、地域での生活を「医療」「介護」「地域の社会資源」が連携して支え、それをコーディネートするのがケアマネや地域包括支援センターです。「医療」と「介護」の連携は徐々に進められつつありますが、「地域の社会資源」がなかなか進んでおりません。地域の社会資源というのは、老人クラブ、自治会、ボランティア、NPO法人といった地域のつながりであり、近所づきあいでもあります。もし災害などの問題が起きたとき、まず真っ先に大切なのが近所づきあいなのですが、それが非常に少なくなっているようです。

私たちの試みとして、難病や認知症の勉強会を開き、そういった人たちの病態や接し方を伝えてきました。また、「和嚥の会」という会を立ち上げ、嚥下食(嚥下障害のある方でも食べやすい食事)を普通の料亭でも食べられるように、和食料理関西様と連携して和食の嚥下食をつくっていただいております。さらに、私たちがみさせて頂いている方々がその人らしく生活できるよう、アドバンスケアプランニングを診療に取り入れております。

今後は、12月に亡くなられた方々の家族対象に「家族会」を予定し、来年3月に認知症の理解の取り組みで映画上映を予定し、4月には和嚥の会で花見会を設定して私たちが診ている方とその家族に楽しんでもらう予定です。この講座が、これからの自分の生活につて考えていただく契機になれば幸いです。
院長 鈴木欣宏
2017年9月20日
「はじめまして、長田由美です」
看護師 長田由美8月末に入職しました。長田由美(ながたゆみ)と申します。長く訪問看護に携わってきました。患者さんとご家族は健康問題を抱えながら、在宅療養の方法や介護方法など、自分達なりに工夫をしながら生活をしています。

そのために看護師は、患者さんやご家族が生活の中で編み出してきた工夫を尊重する必要があり、疾病や障害など健康問題を身体面から捉えるだけでなく、日常生活、社会活動を含めた生活全体をみつめ、過去の経験や生活史から価値観を捉えるなど、患者さんとご家族の状況を理解することが大切であると考えます。

患者さんとご家族の望む生活を実現するため、患者さんとご家族の思いを知ること、多職種と連携をすること、総合的にアセスメントをすることが重要な要素であると考えます。とても熱意のある鈴木先生と結ファミリークリニックチームの一員として、患者さんとご家族の課題解決に向けて支援してきたいと思っています。どうぞ宜しくお願い致します。
看護師 長田
2017年8月17日
「第2回 和嚥の会」
第2回 和嚥の会4月に続いて第2回目の集まりが日本料理「関西」さんの一間をお借りして行われました。病院のMSW 、管理栄養士。介護・居宅事業所のケアマネ、管理栄養士、介護職員。生活支援コーディネーター。「関西」の代表取締役、料理長、和食職人の方々。近隣の食支援に関心の高い管理栄養士。岐阜県総合在宅の管理栄養士、言語聴覚士、歯科衛生士。結ファミリークリニックからは鈴木医師、看護師、医療事務職員全員で参加し、総勢20名近くで行われました。

第2回 和嚥の会今回は勉強会からスタート。摂食嚥下認定看護師の伊藤美和先生をお迎えして『「食べる」を支える工夫』をテーマにご講義いただきました。食支援は食事形態だけでなく口腔や呼吸の状態、認知機能、補食・咀嚼・送り込みや嚥下の状態、椅子や姿勢・姿勢保持、食事動作など多くのことが関連しています。写真や動画で分かりやすく説明していただきました。

第2回 和嚥の会伊藤先生の手配により、太田川にある「くらそっと」さんから食具や食器も多数お借りして下さり、実際に手に取り軽量スプーンやバネ付きお箸など手に取って体験ができました。
第2回 和嚥の会後半は結ファミリークリニックの療養者の内、52名の方々にご協力いただいた「食に関するアンケート」の集計結果を鈴木医師から発表。アンケートからは想像以上に義歯の不具合や移動手段、外出先のバリアフリーの環境がないことによる困難さが外食に出掛けられない要因であることがみえる結果となりました。

そして、春の桜を愛でながらの催しについての意見交換が交わされました。桜スポットでもありバリアフリーでもある場所の選定や価格帯など異業種、多職種ならではの議論もあり濃い時間となりました。

「関西」の代表取締役小島さんの「会場の設え、香り、服装、音楽など工夫をして、参加してもらう方々も企画する私たちも楽しい時間にしたい」の心意気にわくわくとした気持ちが増してきました!食に困難さを抱えている方々が楽しそうに、美味しそうに桜を愛でながらお食事をされる姿が浮かんできます。また、順次ご報告したいと思います。
看護師 須田
2017年8月5日
「高齢者の”飲み込むちから”を診る」
手足の筋力と同じく、「飲み込む」筋力も年齢を重ねるごとに弱くなっていきます。鈴木医師が専門とする神経難病を罹患している方たちも、病状の進行とともに「飲み込むちから」が低下します。飲み込むちからが低下すると食事をすることが難しくなるのか…?いいえ、一概にそうとはいいません。飲み込むちからに併せて安全に食べる工夫をしていきます。

病院内と違って、在宅の場では当然ですが食事の時間もメニューも量も作る人も様々で、食べるほうも場所・食器・姿勢・口の中の様子(齲歯・入れ歯・潤いなど)も様々です。何処に問題点や改善点があるのかを見つけ出すことで次へのアプローチの道が開けます。

開院して一年を過ぎ、個別的なアプローチがしたい熱が高まったころ、クリニックは縁あって摂食嚥下認定看護師の伊藤さんと出会いました。彼女の専門は「食べる・飲み下す、栄養低下・脱水の予防、安全に食べる・飲み込む訓練の選択・実施」…早速院内で勉強会を開催しました。スライドや資料、飲み込みテストの方法等約2時間かけて基礎を教えていただきました。個人的には総合病院でチームアプローチメンバーとして勉強して以来です。勉強会を終えて頭の中はクリアになりました。

摂食嚥下の勉強会 摂食嚥下の勉強会 摂食嚥下の勉強会
そして次に考えるのは…診察でスクリーニングした後、自宅でどう「安全に飲み込む」を継続していくか。誰とどれだけの時間を割いて連携していくか。…まだまだスタートラインに立ったばかりです。個別的なアプローチが絶対で、クリニックだけでは成り立たない。試行錯誤ですが、一緒に知恵を絞ってゆけるご家族・多職種意見大歓迎です。

余談ですが、テキスト的には「絶対危険な状態」でも、肉や魚を平らげたくましく生活しておられる方がいます。脱帽。
看護師 一政
2017年8月3日
「犬山老人会総会でのお話」
犬山老人会総会7月14日の犬山老人会総会で、「認知症になっても住み馴れた場所で暮らすために」という題名で話をさせていただきました。丁度集中豪雨の日でしたが、会場はほぼ満席でした。

今回、特にお伝えしたかったことは「地域のつながりをつくる」ことの大切さです。認知症の方がみえても相談できる相手がおらず、息子や娘、隣近所の知人を通り越して、私たちのクリニックやケアマネ・地域包括に直接相談にみえる方が多いのが現状です。

これからは市役所などの行政は手いっぱいになり、医療・介護も不足してきます。その中でお互いに助け合っていかないと困った時に誰も助けてもらえず、介護難民になる可能性があります。今現在できることは、そのような状態になる前に近所づきあいをして、お互いに助け合える関係をつくることです。

「私も認知症だけど何も問題ないよ」とみんなの前で語り合えるような、おおらかな地域ができればと思っています。
院長 鈴木欣宏
2017年7月31日
「お盆休みのお知らせ」
梅雨も明け日差しの強い日が増えて参りましたが、体調はどうでしょうか?初めて「ゆいまる日記」を書かせて頂きます、事務の野木森です。

土用の丑毎日全力で患者様と向き合っているスタッフ達…体力付けに少し遅めの土用の丑頂きました。真夏が近づきビールがおいしい時期ですが、休肝日を作り体調管理もしなければいけませんね!


そんな中、結ファミリークリニックでも休診日を頂く事となりました。下記日程にてお盆休みと致しますが、24時間365日の訪問診療をご契約されている患者様につきましては、通常通り電話対応の末往診させて頂きますので何かございましたらお気軽にご連絡下さいませ。

8/10 (木) 通常診療
8/11 (祝) 休診
8/12 (土) 休診
8/13 (日) 休診
8/14 (月) 休診
8/15 (火) 休診
8/16 (水) 通常診療

その他、お問合せ等対応できない場合がございます。ご了承下さい。
看護師 野木森
2017年7月4日
「はじめまして、井口由美子です」
事務の井口由美子はじめまして。この度7月より入職しました、事務の井口由美子です。よろしくお願い致します。在宅医療は今まで経験した事のない分野ですが、人と人の心の繋がりを大切にしていきたいと思っております。

私の癒しは「犬」です。我が家では2匹のチワワと暮らしていますが、犬はいつでも顔を見れば喜んでくれる。素直な心が大好きです。

住み馴れた家には不思議な癒しがあると思います。在宅医療では患者さまやご家族さまの幸せ、そして「家で過ごせる幸せ」を感じて過ごして頂ければ、嬉しく思います。
事務 井口
2017年7月3日
「はじめまして、駒田有子です」
事務の駒田有子初めまして、7月から入職しました事務員の駒田有子と申します。

学生を卒業後13年間総合病院にて事務員をして、その後出産などにより医療事務を離れていましたが、今回ご縁があり地元犬山である結ファミリークリニックにて在宅医療という新たな医療事務を挑戦させていただくこととなりました。

患者様方々と良好な関係を作って行けるように、先生や看護師、事務員の心強い先輩スタッフと共に一生懸命がんばりますのでよろしくお願いします。
事務 駒田
2017年6月30日
「第19回 日本在宅医学会大会に参加しました」
第19回 日本在宅医学会大会去る6月17日(土)、18日(日)、名古屋国際会議場で開催された「日本在宅医学会大会」に両日とも参加して参りました。

クリニックでは鈴木医師、他2名の看護師も全員で参加し、当クリニックが向かうべき方向性や課題を共有することができました。早速、学んできたことを少しずつですが診療や看護に活かすため動き出しています。

院長の「スタッフの学びを全面的にバックアップ」の方針により、結ファミリークリニックでは1人年間10万円の学会参加や各種研修会、資格取得など看護師はじめ事務職員と全職員に研修支援制度があります。学べる環境は大変嬉しく、モチベーションアップにもなっています。

さて、この学会では多くの基調講演、シンポジウム、ポスター発表などあり、事前に郵送された抄録から攻略方法を練って広い会場を渡り歩きながらの参加でした。その中でも「在宅医療におけるアバンスケアプランニング」シンポジウムは逃すまいと開場へ向かい、演者4名の先生方の取組は大変興味深く拝聴しました。

在宅での療養中には医療や療養場所の選択、暮らし方など様々な意思決定をする場面があります。そして、ご本人やご家族もその「想い」には葛藤や揺れ動きがあり、繰り返し変化する場面も多いです。そのような繰り返し、繰り返しアップデートされる「想い」を共に支える「意思決定支援」こそが、在宅医療におけるアドバンスケアプラニングであるのだと改めて確信しました。

日々の訪問診療では多くの方が診察を待っておられますし、緊急の往診の対応もあります。いかに向き合い、話合える時間を確保するかは大きな課題ではありますが、ケアマネジャーさんや訪問看護師さん方等と連携をしながらご本人、ご家族を中心に共に話し合う「プロセス」を大切にしていきたいと思いました。

今後も地域・社会全体、制度、在宅医療の情勢把握に努めると共にまず実践に於いて具現化し、結ファミリークリニックの療養者一人ひとりの「人生や暮らし」を支えることに繋げていきたいと思いを強くした学会参加でした。

※アドバンスケアプランニングとは…「将来の意思決定能力の低下に備えて、患者さまやそのご家族とケア全体の目標や具体的な治療・療養について話し合う過程(プロセス)」その人にとっての最善の生を支えること。
看護師 須田
2017年6月8日
「Where is she ??」
先日の定期訪問先でちょっと面白い体験をしました。

デイサービス通所以外の日は午後3時ごろまでお布団の中で存分にゆっくりした後、ご家族と洗面・着替えをしてリビングで午後9時までご飯を食べたりおしゃべりしたりお茶を飲んだりして過ごされているそうです。

定期訪問診療

定期訪問診療
当院は彼女の始動前に伺う事が多く、いつもベッドの中で目をつぶった姿ばかり見ていました。ところが先日の訪問時「こちらでーす」と声が返ってくる方に進むと、玄関の上がり框周囲から談笑する数人の方たち。「今日はみんな来てくれたから早く身支度してずっとここでお茶してるんです」と娘さんが迎えてくださいました。

「いいですね〜。診察に参りました」と言いながら入っていく鈴木医師の足取りが怪しい…そうなんです、どこに彼女が座っているか判らなかったのです!(^^)! 明らかにその目と足は探していました!ゆったりとソファに座りキャンディチーズを食べながら本人は、どこ吹く風〜の表情で座ってらっしゃいます。普段の診察で見る顔と大違い。「全然わからなかった。参った!」みんなで大笑いをして和やかに時間が過ぎました。

ご親族が時々こうして訪ねては、楽しい時間を過ごしているとの事。写真に写っているワンちゃんも「誰がやさしくしてくれるかな〜」と膝の上を探しています。日々の暮らしのご様子を垣間見て心がふわっと軽くなった体験でした。
看護師 一政
2017年6月5日
「多職種と一緒にお別れへ」
結ファミリークリニックでは、一人の患者様をケアマネ―ジャーさん、訪問看護師さん、訪問リハビリスタッフさん、ヘルパーさん、訪問入浴さん、訪問薬剤師さんなどの多職種が、それぞれの役割を持ってチームで関わらせていただいています。どの職種もそれぞれが力を発揮し患者様の生活を支えます。

多職種と一緒にお別れへ末期がんで自宅で過ごしたいと希望された女性のお別れに、訪問薬剤を担当してくださった薬剤師の河村さんと一緒に行ってきました。仕事をフルでされている娘さんが介護されていましたので、朝から夕方まで独居となり、多職種が活躍しました。

胃瘻注入、吸引、酸素吸入、リハビリ、保清、緩和ケア、家族看護…とてもケア度が高い方でしたが、チームで団結して介入しました。娘さんも仕事をしながらの介護は大変であったと思いますが、連絡ノートや赤ファイル(結ファミリークリニックオリジナル)で情報のやり取りをし、娘さんの意向を確認しながら連携できたことに、多職種の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

今回、訪問薬剤師の河村さんには、娘さんが仕事帰宅後の遅い時間に薬剤を届け、残薬の管理をしていただきました。薬剤の作用・副作用を説明をしていただいたり、胃瘻からの薬剤の注入において、形状や溶解しやすい薬剤の選択など、相談に乗っていただきました。また癌の症状コントロールで薬剤の急な変更にも迅速に対応していただきました。

その他、訪問看護師さんは連日の頻回訪問で、娘さんが仕事を続けながら最期まで本人の希望通り自宅での生活を、サポートしていただきました。本当に訪問看護師さんなしでは今回のケースは支えられなかったと感じています。今後とも多職種と気持ちよく連携していきたいと思いますので、ご支援ご協力よろしくお願いします。
看護師 水野
2017年6月1日
「認知症カフェ『とまり木』に参加」
認知症カフェ「とまり木」

認知症カフェ「とまり木」

認知症カフェ「とまり木」
去る5/20(土)、認知症カフェ「とまり木」が犬山市善師野のCafe「ZEN」さんで開催されました。結ファミリークリニックからは鈴木医師、水野看護師、須田が参加をしました。認知症のある方のご家族、最期まで介護をしていた方のご家族、地域包括支援センターの職員などの参加、犬山市の山田市長はじめ議員の方の表敬訪問などもあり会場は満員でした。

鈴木医師は「認知症ってどんな病気?」というテーマでお話をさせていただきました。質問形式で説明した後、会場からの質問や体験談のお話も聞きながら、会場一体となりお話がすすめられました。

鈴木医師からも「私自身は認知症の介護の経験はありませんので、ほんとうの大変さはわかりませんので皆さんのお話を伺いたい」とありました。会場から認知症状のある親類の身辺介護をされ、最期まで看取りをされた方のご苦労や介護の工夫を伺うことができました。

認知症の介護では「『否定』や『怒る』などせずに相手を受け入れながら介護をする」と言われますが、実際に介護した方からは「家族だから怒れる、優しくなれない」ことの大変さを伺い、胸にズンと重くご参加の方々のご苦労を感じる場面もありました。

国は認知症に係る制度として2015年1月に「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」を公表しています。その中で「7つの柱」を掲げ、その柱のひとつ「介護者支援」として認知症カフェなど取り組まれています。今後も更に同じような体験をされた方々の参加が増え、個々の悩みや苦しみ、介護で工夫していることなどが共有され癒し、癒される時間になったらよいなと感じました。結ファミリークリニックでも「7つの柱」の「認知症の理解の普及・啓発」「適時医療・介護の提供」など取り組んでいきたいと思っております。

帰りには参加者の方が介護をしながら世話をされた畑のサニーレタスを一束ずつお土産にいただき、温かい気持ちで帰路につきました。企画運営をされている「ちいきの介護」、「みそら食堂」、Cafe「ZEN」の皆さまありがとうございました。
看護師 須田
2017年5月18日
「その人らしい暮らしを続けるということ」
訪問診療では、初診前に大まかな人となりをお聞きして当日を迎えます。

その女性は大きな敷地の離れ(これも立派な建屋)に住んでおられました。本人様と笑顔がそっくりなご子息と、朗らかなお嫁さんが敷地内に住まわれ日々穏やかに暮らしていましたが、加齢とともに生活行動範囲が少しずつ狭くなっていき、加えて人見知りの性格も手伝いめっきり居室から出ることが少なくなっておられました。

突然大きな訪問鞄を下げた医師と看護師が訪問すると驚かれるだろうという事で「市内を順番に廻っております。○○様のお宅の番になりましたので寄りました。上がっていいですか」…この声掛けににっこり微笑み返してくれた表情が印象的な方でした。

ご家族は他者との交流や安全な入浴を求めて福祉サービスの利用を希望されましたが、本人の希望と性格、体力を考えケアプランを考えて頂いた結果、自宅に浴槽を運んでいただける「訪問入浴サービス」を選択され、心地よい入浴時間を持ち、回を重ねる度に訪問看護師、訪問介護士と良い関係を作りながら個別的な介入をさせて頂くことができました。

その人らしい暮らしを続けるということ「芋・栗・南瓜」女性ならではの食の好みを最期の日まで口にされ、関わりから数か月で住み馴れたご自宅で眠るように天寿を全うされました。

その人らしい暮らしを続けるということ後日ご挨拶に伺いましたが、寂しいながらも楽しい思い出話に始終した時間となったのは、「彼女の個性を尊重したケアプランを快諾したくださったご家族」と「関わった多職種で介入前と変わらない穏やかな暮らしを守ることができたから」と深く感じることができる看取りでした。
看護師 一政
2017年5月17日
「100歳!」
先日、100歳のおばあちゃんをお見送りさせて頂きました。難聴でしたので筆談でコミュニケーションを取りましたが、達筆で漢字をしっかり書かれ、学校の先生をしていた知的な方でした。また、私たち医療者にいつも笑顔で合掌して感謝の気持ちを伝えて下さいました。

自分のことは自分でやる…最期まで貫き通しました。衣類のほつれを裁縫で直したり、日記や写真の整理をしたり…どこからそんな力が湧くんだろうと、ビックリの連続でした。

彼女の歴史を知れば知るほど、興味深いお話しばかり…自分の人生を考えてきちんと歩いてこられた方でした。目標と言っていた100歳の誕生日を迎え、愛する息子さんの誕生日の日に旅立ちました。この良き日を選んだのには、またまたビックリ!

遺書もありました。遺影に自身が毛筆で書いた「感謝」の二文字を使ってほしいとのことでした。この遺書にもご家族と共にビックリさせて頂きました。自分の人生を自分で描き、全うしていく、素晴らしい方に会うことができ、たくさんの学びがありました。感謝の気持ちでいっぱいです。

100歳のおばあちゃんの看取りそして息子さんから「老衰なら自宅がいいですね。安心して見送れました。母の人柄でたくさんのよい方(訪問看護、ケアマネージャー、在宅診療スタッフ)に巡り会いました」とステキな言葉を頂きました。

現代医療の発達が進む今、ルートもモニターも抑制もない自然な形でご家族と手を取って逝けることこそ幸せな死であることを再確認させて頂きました。
看護師 水野
2017年5月10日
「パワーランチ勉強会」
昨日は協和発酵キリンさんによる「パワーランチ勉強会」。新規訪問診療で30分ほどお待たせしての開始となりました。今回は、「フェントス(がんの強い痛みを緩和する薬)」「アブストラル(がんの強い痛みを緩和する薬) 」について。

パワーランチ勉強パワーランチ勉強「WHO 3段階除痛ラダー」など薬物療法の基本から「フェントス」「アブストラル」の使用方法や、使用上の注意などわかりやすい説明をしていただきました。

なんと、八博の「ひすいステーキ弁当」の美味しいお肉を食べながらのパワーランチ勉強会!!頭もお腹も大満足でした。

結ファミリークリニックの昨年の訪問診療では、約20%ががん疾患の方でした。そして、ご自宅でのお看とりさせていただいた方の半数ががん疾患の方でした。

身体の痛みをはじめ、精神的、社会的、スピリチュアルな痛みなど、総合的にそのひとの暮らしと人生に寄り添える医療、看護を目指し、日々精進して参ります。
看護師 須田
2017年5月2日
「よろしくお願いします」
看護師 須田敏枝4月より入職しました、看護師の須田敏枝と申します。介護保険がはじまった2000年から在宅、暮らしの場での仕事に携わってまいりました。

お一人おひとりのこれまでの人生を紐解きながら、望む暮らしや叶えたい夢、何気ない日々の暮らしを支えることに看護師として、福祉に携わってきた者としてやりがいを感じています。

結ファミリークリニックには熱意と情熱、勤勉な先生やスタッフが揃っており、心強く思っております。この結ファミリークリニックのスタッフと共に、地域に根付いた、また地域のニーズに応えられるようなクリニック運営の一助になれたらと思っております。

訪問中は桜や梅、桃の花、蓮華の花々、雨が降れば土の匂いがするなど、自然に触れながら車窓からみえる景色も楽しみに移動しています。趣味はクリスマスローズ、バラなどのガーデニング、そしてその花々を一眼レフカメラで撮ったり、愛でることです。どうぞ、よろしくお願いいたします。
看護師 須田
2017年4月10日
「苦手なもの」
私の苦手なもののひとつに「電話」があります。もともと舌足らずで話すのが苦手なので、何度も聞き直されることがよくあります。対面で話していてもそんな感じなので、ましてや電話となるとさらに聞き取りにくくなります。以前に「すずきよしひろさんて、外国人の方なの?」と言われたことがあるくらいです。…私は生粋の日本人、犬山人です。

そんなことですから、電話がかかってくるたびにビクッとし、他のスタッフがいる時には下を向いたり他の仕事をしているふりをしたりして、電話に出てもらう雰囲気を醸し出しています。そんな姿を察してか、みんなは無言で電話をとってくれます。ありがたいやら情けないやら…。

皆様、当院に電話をかけ、間違って私が対応して不愉快な思いをされたら申し訳ありません。どうか暖かい目で、「仕方ない奴だ」くらいに思ってください。
院長 鈴木欣宏
2017年3月14日
「東日本大震災について 2」
(※前回の日記の続きです)
ミスマッチは医療においても顕著でした。医療は医者だけでは成り立たず、看護師、薬剤師、医療事務、技師、理学療法士などの多職種が関わり、医薬品などの流通などのネットワークがあり、さらには患者さんたちがその医療の現場に来ることで初めて成り立ちます。震災ではそのネットワークが断ち切られたため、人を集めても空回りしていました。

あまりご存知ないかもしれませんが…そんな中、訪問医療が活躍しました。訪問診療は、車の中に診療に必要な物品をいれ、医師と看護師が現場に向かいます。まさしくドクターカーが震災で孤立した家々に訪問し、必要な医療を提供することができます。現地で以前からあったクリニックも他の地域から救援に駆けつけた在宅専門のクリニックもありました。私が学んだのは、仙台往診クリニックと愛媛のたんぽぽクリニックですが、他にも多くの訪問診療が活躍したことでしょう。

私が訪問診療を始めようと思った理由の一つがこのことでした。災害は弱者を差別します。震災の時も、元気な人は自分で診察を受けに来ることができました。本当に大変なのは、受診もできない人達です。災害対策をするには、弱者の視点から対策をしなくてはなりません。

私は災害に強いまちづくりをするためにも、訪問診療が行われた方がいいと思っています。そしていざ災害時には、すぐに車で駆けつけられるようにしていきたいと思っています。
院長 鈴木欣宏
2017年3月7日
「東日本大震災について 1」
2011年3月11日の震災の時、当時勤めていた岐阜県総合医療センターの院長・副院長に直訴して、救援活動に参加させていただきました。現地の医師が足らず、不眠不休で働いていると聞いていたので、「私が与えられた48時間ずっと寝ずに働こう」「呼ばれたらどこにでも行こう」と考えていました。しかし現地についてみると、風邪などの患者さんを一日に十数人みる程度でした。焦る気持ちばかりで、「自分は何をやっているのだろう」と無力感ばかり募りました。

空いた時間に避難所にいる一人一人に声をかけ、「何かできることはありませんか」「体調はどうですか」と聞いて回りましたが、みな疲れ切った表情を向けるのみで、私に何かを求めてくることはありませんでした。おばあさんが「聞いてくれ、私は70年間生きてきたが、地獄を初めてみた。本当に地獄だった。」と話すのを聴いていることしかできませんでした。

震災の直後から起きていたのは「ミスマッチ」でした。たくさん助けたいと思う人がいて、たくさんの救援物資が集まりましたが、それを求める人たちへはなかなか届かず、誰が求めているかもわかりませんでした。私が直面したのもミスマッチだったと思います。

しかし、その後ボランティアを含めた多くの復興に関わる方々が草の根的に地域に入り込み、ミスマッチを解決し、しなやかな救援体制など新しく素晴らしいシステムを作り上げました。それを学び自分の住む場所に生かすことが、震災の救援活動にかかわった人間の、被災された方々に対するせめてもの誠意ではないか…と思っています。この思いが、在宅医療を始めたきっかけの一つになっています。
院長 鈴木欣宏
2017年2月14日
「最期の時間」
先日、逝去された方のご自宅へ挨拶にお伺いしました。最期を自宅で迎え、それに至るまでの複雑な思いを奥様から聞かせていただきました。

癌で手術を行った後、化学療法を受けていたが脳転移が見つかった時の衝撃。買い物をしたときにお金の計算を間違え、衰えを感じた哀しさ。左麻痺になった後も自宅介護し、夜間何度も起こされ限界を感じてショートステイを利用した時。そして再び自宅に戻り、家族が集まって最後を看取った時…。

ご自宅でのお看取り涙を流しながら話されていましたが、話し終わるとすっきりして笑顔に戻りました。最愛の夫を介護して看取り、亡くなった後を過ごす思いは一言では語れないと思います。それでも、自宅で看取れてよかったと言ってくださいました。

きっと亡くなった主人様も、最期の時間を暖かい家族と一緒に過ごすことができ喜んでおられると思います。
院長 鈴木欣宏
2017年1月17日
「海老蔵さんから学んだ!」
歌舞伎役者の市川海老蔵さんが、乳がんと闘っている妻の小林麻央さんについてインタビューでこんなことを話していました。

「厳しいから厳しく生きるよりも、その中で笑いというか面白いことをみつけてやっていくとが楽しい訳で、(そうすることで)病気や痛みを忘れるようにするし、忘れられるようにする。(病気であること、厳しい状況を)そんなことは関係ないという雰囲気にさせることを、ちょっとだけ心がけている。」

ケアを提供する私にとって、とても共感する言葉でした。海老蔵さんは終末期ケアを良く理解しており、素晴らしいなと思いました。もちろん、その場の空気を読む必要もありますし、関係の深さにもよりますが、癌だからといって腫れ物に触るように難しい顔・辛い顔をして当人の顔を覗き、声をかけるのはNGですね。

苦しみを共感しているという姿勢はとても大事なことですが、いつもいつも、そしていつまでも腫れ物に触るように接していては当人も看病している家族も前進することはできませんし、楽しくも面白くもない無駄な時間だけが過ぎ去って行ってしまいます。

私自身、終末期にこそユーモアが必要だと考えています。1日1日が貴重な時間だからこそ、「笑っていたい」「笑っていてほしい」と思います。海老蔵さんは妻の麻央さんの病室にユーモアたっぷりの装いで訪れたり、面白いネタを持ってお見舞いしている様子がブログからも読み取れます。1分でも病気や辛さを忘れて声を出して笑えたり、その瞬間だけでも笑顔になれたりってステキなことだと思いませんか?

「死は誰にでも必ずやってくるもの。死は敗北ではなく、恐れる必要はない。」…私が終末期ケアに携わり、少しずつそんな気持ちになっていいます。今後も沢山の患者様との関わりを深めていきたいと思います。
看護師 水野
2017年1月1日
「新年のご挨拶」
あけましておめでとうございます。旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。おかげさまで当院は、開院して初めての新年を迎えることができました。

平成28年4月に開院した時は不安で胸が一杯で、毎日押しつぶされそうでした。今でも不安はありますが、ようやく自分がやりたかったことに目を向ける余裕が少し出てきました。今年も在宅医療を通じて、住み馴れた場所でいつまでも生活できるような環境を創り、同じ志を持つ仲間を増やしていきたいと思います。さらに、診療以外のところでも楽しいことをしていきたいと考えておりますので、それについて逐次ホームページで報告させていただきます。

今年は介護保険の改正があり、地域支援事業が4月から始まります。これは、介護のノーマライゼーションのようなものだと私は捉えていますが、具体的にどのように対応していくかあらゆる業種が戸惑っていると思います。私たちスタッフ一同も、「在宅医療は地域づくりそのもの」という基本にたち戻って、地道に一歩ずつ目の前の課題に取り組んで参りたいと存じます。

本年も変わらぬお引き立ての程、宜しくお願いいたします。皆様のご健勝とご発展をお祈り申し上げます。
院長 鈴木欣宏
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