「2022年度 運営計画発表会」

3月29日に、ホテルインディゴで運営計画発表会を行いました。昨年の一年間を振り返り、更にこれからの一年間の行動計画を発表しました。これからの一年間で、クリニックとしては皆で力を合わせて、さらに診療の改善をさせていきたいと考えています。
その中でも、私自身は神経難病の診療の在り方のプロトコルをつくる予定です。在宅医療では神経難病の方が多くみえますが、脳神経内科の専門医が少ないために専門的な診察を受けることができません。専門外来医と在宅医療医の二人主治医制という方法もありますが、通院困難で在宅医療を行っていますので外来受診は負担が大きくなります。
私は誰でもが神経難病を在宅で診ていくことができるようにプロトコルを作成し、さらにそれを実際に使用する中で改善をさせていきたいと考えています。スタッフも、グリーフケア、皮膚排せつ、ビジネスマナー、神経難病看護、災害対策、医療事務など、様々な面から療養される方一人ひとりがより良い医療を受けられるように計画してくれると思います。
また今年は新社屋が完成の予定です。市から委任されている認知症初期集中支援チームの「つなごっと」はより外部に対してアクセスしやすくなるようになり、新たにミニむつき庵の「楽桃(らも)」が加わって運営される予定です。新社屋には地域の方が交流できる場があり、みんなが集まることができるようなイベントも考えています。
運営計画発表会に集まっていただいた方々からあたたかい言葉をいただきました。新社屋の地主の方からは、「もともと工場があった場所ですが、そこに『趣味楽同時』という言葉が掲げられていました。趣味のように楽しんで仕事をしようという意味で、そこで働いていた人は楽しそうに働いていました」とのことでした。私たちも働くことが喜びになるようにできたらと思います。
また、新社屋は私の住んでいた古民家から一部の木材を持ってきました。そこの場所は私の祖母が産院を運営していた場所で、当時は産婦人科医院のない地域でしたので、祖母が地域の女性の出産を助けていました。人が産まれる場所で使っていた木を、在宅医療の拠点で使うことになります。その古民家に飾られていた額縁には「積善有餘慶」と書かれており、善をなせば見かえりとしてよい事が必ずあるということ、善行を積んだ家には子孫の代にまで及ぶ幸福が必ず訪れるという意味だそうです。


多くの思いを引き継いで、新しい一年を迎え、新社屋設立に向かっていきます。非力ながら皆様の想いや歴史を受け止めて、これから精一杯がんばっていきたいと思います。
今年度もどうぞよろしくお願いいたします。