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ゆいまる日記バックナンバー

2024年10月31日
「第22回結楽サロン開催しました」
第22回結楽サロン10月31日に第22回結楽サロンが開催され、9名のご遺族様が参加してくださりました。

今回はピアサポート(同じような立場や課題を抱える仲間同士で支え合う活動)になるように、大切な方をお看取りされた経験をお持ちの地域の方にお声をかけさせていただき、3名の方に参加していただきました。

第22回結楽サロン第22回結楽サロンあるご遺族の方からの「周りの方にやさしくされても気をつかわれても、どちらも嫌な気持ちになる。そんな風に思う自分が、性格が悪くなったと落ち込む」という言葉に「うんうん、わかるよ」とピアの方が深く頷き、同じような経験があると共感されました。

経験したことがある人同士が交流できる場は大切だと思う瞬間でした。

第22回結楽サロンまた、このサロンに参加された方が、後日本を届けてくださいました。新聞記事からみつけたそうです。「そうそう、そんな気持ちになる」と読まれたそうです。

ご興味がある方はクリニック待合室の本棚に並べさせていただきましたので、お手に取っていただければと思います。とても優しさの溢れた本で、悲しみへの向き合い方の手がかりになるかもしれません。本の紹介・贈呈、ありがとうございました。
看護師 水野
2024年10月15日
「神経系難病患者・家族のつどい『ゆめの会』で講師をしてきました」
ゆめの会講演会 9月10日に、江南保健所主催の神経系難病患者・家族のつどい「ゆめの会」に講師として参加いたしました。

今回は「最新の治療と療養生活における工夫」というテーマをいただきました。最近の治療は主にパーキンソン病と多発性硬化症になりますが、脊髄小脳変性症やアルツハイマー型認知症についても少し触れました。

パーキンソン病の治療薬は沢山出ていますが、最近の話題は外科的な手術になります。脳深部刺激療法と言って、視床下部など脳の深部に針金のような電極を差し込んで微弱な電気を流して刺激するもので、治るわけではなく内服を減らすことができます。デメリットとしては手術が必要なことと、症状は進行しますので数年後にはまた同じ量の内服が必要になります。

レボドパ・カルビドパ配合経腸用液療法(LCIG)という治療は、胃ろうを造ってそこから細い管を長まで延ばし、少しずつ持続的にレボドパを注入するものです。内服では血中濃度が安定しないので、薬の血中濃度が高すぎるとジスキネジアという不随意運動が出て、低いと体が動かない(off状態)となりますが、この治療ではずっと持続的に同じ量が腸に直接入るので血中濃度が安定します。

デメリットは胃ろうの手術が必要であることと、1日1回薬液の交換が必要なことと、薬液が高価なため入院や一部の施設では使用できなくなることがあります。

ホスレボドパ・ホスカルビドパ水和物持続皮下注(ヴィアレブ)という治療は、直接皮下に薬液を持続的に注射するものです。手術が必要ありませんし、皮下注射だけですので簡易にできて血中濃度もさらに安定します。一方で、皮下注射の針の交換や薬液の交換が必要なので、手技を習得することが大変で断念することが多いことと、LCIGと同じく薬液が高価なため入院や施設で使用できなくなる場合があります。

さらに研究されていることとして、パーキンソン病で脳内に蓄積するαシヌクレイン蛋白を除去したり産生させなくしたりする研究がなされています。これはアルツハイマー型認知症におけるAβ蛋白除去療法と同じ発想で、原因療法になるものです。まだ研究段階ですので、実際に治療薬となるまでにはまだまだ時間が必要です。

また、多発性硬化症の方やご家族から熱心な質問がありました。多発性硬化症は脳内に脱髄という病変ができて、それが様々なところで再発と緩解をくり返す疾患です。もともと欧米に多かった疾患ですが、最近は食生活や環境の欧米化により日本でも増えてきています。

治療方法も増えてきて、治療効果が低いが副作用の少ないものから、治療効果は高いが副作用の強いものまであります。今回はケシンプタという薬の質問があり、JCウイルスによる進行性多層性白質脳症PMLという疾患が心配であるとのことでした。タイサブリという薬剤で多く見られる症状ですが、ケシンプタではこれまで発症した方がみえないので、まだ投与間隔を延ばすなどの対応は必要ないことをお伝えしました。

神経難病の進行期には、運動症状以外にも様々な症状が出現してきます。生活へ影響するものとして、それまでの運動障害などという主症状に対して、幻覚・覚醒障害・認知症などの精神症状、嚥下障害・誤嚥性肺炎による入退院、転倒骨折によるADL低下、排尿障害や便秘などの合併症が加わってきます。

それぞれの症状全てに対して薬で治療していくと大変な量の内服をすることになり、副作用でさらに悪化するリスクも出てきます。そのリスクへの対応方法として薬以外に、生活習慣の見直し、リハビリなど様々な方法があるので、広い視野をもって対応すると解決できる場合があります。

幻覚・覚醒障害に対しては、規則正しい生活をして昼間運動することや、家族に協力していただき精神的に安定することで幻覚などの精神症状が改善する場合があります。嚥下障害や誤嚥性肺炎は毎日3回口腔ケアをして、ムセなどがある場合には食形態に注意をすること、転倒骨折にはリハビリを導入して生活環境を整えること、便秘に対しては運動や水分・食物繊維の摂取をすることが大事になってきます。

特に起立性低血圧がある場合には、内服薬だけでなく、起き上がりをゆっくりにしたり睡眠をしっかりとって体調を整えたりするだけで発作は置きにくくなります。生活習慣や環境を見直すとともに、関係する訪問看護やリハビリの方と相談することをお勧めいたします。

講演の後、神経難病の方から多くの質問をいただき、あっという間に2時間が過ぎてしまいました。もっとのんびりとお茶をしながら皆さんとお話ができれば、さらに多くのお話を皆さんから聞くことができたのだろうと思います。このような場を毎年設定していただいている江南保健所のスタッフの方々には、心から感謝を申し上げます。

なお、ゆめの会の中でも少し触れましたが、11月29日に「お結び健康祭り」を開催して難病の方たちと話をする時間を作る予定です。ぜひ皆様ご参加ください。
院長 鈴木欣宏
2024年9月3日
「第6回日本在宅医療連合学会で演題発表しました」
第6回日本在宅医療連合学会大会院長の私は日本在宅医療連合学会大会に演題を出し、在宅医療での人工呼吸器管理について、インシデントを分析することで管理に必要なことを発表してきました。

もともと人工呼吸器は、病院内でも特に集中治療室で使用されてきたものでした。それが、この20〜30年間をかけて自宅でも使用できるように進歩してきましたが、病院内と在宅ではまだまだ注意しなければならない点があり、特に自宅では家族や訪問介護がほとんどの時間みていることです。

課題として挙げたことは、「1.気管カニューレ事故抜去時の対応」「2.痰詰まりの対策」「3.停電時の対応」の3点でした。以下に抄録を記載しましたので、ご覧ください。

「長期在宅人工呼吸器装着における重大インシデントの分析と対応」
鈴木欣宏
「目的」
長期在宅人工呼吸器装着中に経験した生命に関わる重大インシデントを報告の報告を通じ、その対策方法を検討する。

「方法」
当院はこれまで6名のTPPVの筋萎縮性側索硬化症の患者を診てきた。経過中、カニューレ事故抜去、痰詰まりによる気道閉塞、停電を経験し、それに対して多職種で協働して対策をしてきたため報告する。なお、この報告は関係する患者もしくは家族に口頭で同意を得ている。

「結果」
人工呼吸器装着者の生命に関わるインシデントとして、気管カニューレ事故抜去を3例、痰詰まりによる気道閉塞を1例、人工呼吸器装着者の停電を1例経験した。

気管カニューレの事故抜去はリハビリや車いすへの移乗時で医師・看護師のいないときに発生した。それに対しご家族への再挿管の訓練と、他の職種にはアンビューバッグをしながら救急搬送する訓練を行い、その後実際に事故抜去が起きた時に速やかに対応することができた。

痰詰まりによる気道閉塞については、人工呼吸器の設定をSIMV-VCもしくはAVAPS modeで使用することにより気道閉塞時に吸気圧を上昇させる設定にし、普段から喀痰が吸引できるようにダブルサクション式カニューレと低圧持続吸引器を使用し、喀痰吸引研修を受けた介護職と連携して安全に喀痰吸引ができる体制を整えた。

また災害時に停電した事例については蓄電池を繋げ、数時間で回復したことで重大インシデントにはならなかったが、その後72時間人工呼吸器を維持できるように電源確保のシミュレーションをし、実際停電対策の災害訓練を関連職種で実施した。

「考察」
長期人工呼吸器装着におけるインシデントは、医療関係者のいないところで起こる場合が多く、対策として多職種の連携が重要と考えられるが、それに対する対策はあまり報告事例がない。

長期人工呼吸器管理における適切な方法はまだ確立されておらず、エビデンスの積み重ねが必要と思われる。
院長 鈴木欣宏
2024年8月26日
「第29回日本難病看護学会学術集会 〜チームのパフォーマンスを高める難病看護の可視化〜」
日本難病看護学会学術集会2024年8月24日〜25日に静岡県コンベンションアーツセンターで開催された、日本難病看護学会学術集会に参加しました。

この学会では、看護師がどのように臨床で判断する力を見える形にするか、また難病看護における課題をどう克服するかが議論の中心でした。特に、ラサター臨床判断ルーブリックを活用した教育方法が注目されました。

また、災害が頻発する現代において、地域ごとのネットワーク強化が取り上げられ、各市町村の取り組みを聞くことで私たちの地域にも役立つ具体的な対策が見えてきました。さらに、東海地区で活躍している難病看護師さん方から現状と対策を伺う機会もあり、非常に参考になりました。こうした情報から災害に備える上でのヒントが多く得られました。

今回の学会を通じて「多職種連携」の重要性を改めて感じるとともに、他の専門職との横の繋がりや多角的な視点の大切さを再認識しました。

年々、学会に参加する難病療養者やそのご家族が増えており、生の声を直接聞く機会が多くなっていることが印象的でした。これにより、患者さんが抱える不安や苦悩に寄り添うことの重要性を深く感じました。特に、当事者の声を通じて、診断前の不安や診断時の苦悩、そして希望を持つことの大切さを深く理解しました。

人は希望がなければ生きることができません。その希望は、その人らしさが表れる意思決定に反映されるものです。看護師として、医師との連携を大切にしつつ、自らの専門性を活かして療養支援を行う責任と意義を改めて認識しました。

さらに、この学会に参加して、恩師から教えられた「看護はやさしさと知性の表現である」という言葉を思い出しました。この言葉が再び心に響き、看護の本質を改めて考えるきっかけとなりました。今後も患者さんに寄り添い、質の高いケアを提供するために努力を続けていこうと決意を新たにしました。
看護師 長田
2024年8月1日
「第6回在宅医療連合学会大会にて発表」
第6回在宅医療連合学会大会第6回在宅医療連合学会大会7月21日に開催された「第6回在宅医療連合学会大会」に参加し、私自身も発表の機会をいただきました。

テーマは「訪問看護認定看護師の視点から担った地域に根差した訪問診療クリニック運営・経営管理の活動報告」です。

第6回在宅医療連合学会大会発表内容としては、訪問看護認定看護師としての視点を活かし、クリニックの運営・経営に積極的に関わってきた経験をお伝えしました。

具体的には、組織の成長に伴い増加する業務量に対応するためのシステム構築や、人材育成・活用、地域連携の強化など、理念の具現化に向けた多岐にわたる取り組みを行ってきました。

訪問診療の現場と経営のバランスを保ちながらそれぞれが力を発揮するためには、軸となる運営システムが必要であると考え、この8年間の取り組みをひとつにまとめられたことは、自分にとっても大きな区切りとなりました。今後は、さらに目の前の課題に向けてシフトチェンジしていきたいと思います。
第6回在宅医療連合学会大会 第6回在宅医療連合学会大会 第6回在宅医療連合学会大会
第6回在宅医療連合学会大会また、医療事務で統括管理補佐を務める野木森と、事務アルバイトの前田と3人で取り組んだRPA(業務自動化)についても野木森がまとめ、ポスター発表を行いました。

初めての発表となった野木森も堂々と活動内容をまとめ、しっかりと発表できたことがとても嬉しかったです。会場からも多くの質問やフィードバックをいただき、数多くの学びと気づきを得ることができました。
第6回在宅医療連合学会大会今後も、地域に根差し、お一人おひとりに合った在宅医療を提供できるよう、さらなる努力を続けてまいります。

皆さまのご支援とご協力に心より感謝申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
看護師 須田
2024年7月1日
「日本プライマリ・ケア連合学会学術大会に参加して」
6月8日(土)から9日(日)にかけて、静岡県浜松市のアクトシティ浜松で開催された「第15回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会」に参加してきました。

今年のテーマは「だれ一人取り残さない持続可能なプライマリ・ヘルス・ケアに向けて」というもので、特に訪問診療の現場において、地域に根ざした医療をどのように実践し、継続可能な形で提供していくかに焦点が当てられていました。

患者さん一人ひとりの生活環境や背景を考慮し、全ての人が適切な医療サービスを受けられるような体制をどのように整備していくかという具体的な課題に取り組む内容であり、私たちの訪問診療の実践に直結する非常に有意義なものでした。

私はこれまでプライマリ・ケアに強い関心を抱いていましたが、今回初めてこの学会に参加する機会を得ました。日本プライマリ・ケア連合学会では、プライマリ・ケアを総合診療や家庭医療として位置づけ、地域住民とのつながりを重視しながら、継続的かつ包括的な保健・医療・福祉の実践と学術活動の推進を目的としています。

結ファミリークリニックにおいても、患者さんを全人的に捉え、その背景にある家族や生活環境を理解すること、さらには地域全体を視野に入れることは、私たちの看護実践において非常に重要です。今回の学会参加を通じて、訪問診療や訪問同行看護師としての役割をさらに深化させることを目指しました。

学会では他職種とのインタラクティブなセッションに参加し、他医療機関とのディスカッションを通じて多くの知見を得ることができました。特に多職種連携の重要性や、地域に根ざした包括的なケアの実践について、具体的な事例から多くの学びを得ることができました。この経験は今後の看護実践において大いに役立つものであり、学んだ内容をクリニック内で共有し、訪問診療・看護の質向上に貢献したいと考えています。

今回の学会参加は、看護師としての視点をさらに広げる貴重な機会となりました。今後も研鑽を重ね、地域の皆様に質の高い医療・ケアを提供できるよう努めてまいります。
看護師 須田
2024年6月14日
「さら・さくら健康まつりに参加してきました」
さら・さくら健康まつりさら・さくら健康まつり5月19日に犬山市民健康館で開催された「さら・さくら健康まつり」に、「認知症予防と相談コーナー」の出展をさせていただきました。

昨年の秋に開催された「秋桜健康まつり」に続いての参加となりましたが、今年は名古屋グランパスの食育コーナーがあったりグランパスくんが登場したため、昨年よりも若い世代の方たちの来場が多くありました。

認知症予防と相談コーナー認知症予防と相談コーナー私たちのコーナーでは認知症予防のパズルやゲームを用意していたのですが、お年寄りからお子さんまで幅広い世代の方々が楽しんで行ってくださるブースになりました。

いつもはなかなかお話しできない子育て世代の方たちにも、認知症ガイドブックの紹介ができました。お話しする中で「実はおばあちゃんが…」とご自身のご家族のご相談をされていく方もおられました。

来場される市民の方々と、認知症のことを「我がごと」と捉え一緒に考える機会となりました。参加させていただきありがとうございました。
犬山市認知症初期集中支援チーム「つなごっと」一色君佳
2024年5月30日
「第21回結楽サロンを開催しました」
当院の銀の庭がラベンダー畑で一面となり、ご遺族の方をお迎えするのにふさわしい春の良き日になりました。
結楽サロン 結楽サロン 結楽サロン
結楽サロン今回嬉しいお知らせが2つあります。ひとつは…2年ぶりに、M様が長女さんと一緒に参加されました。私どももこの日が来ることを首を長くしてお待ちしておりました。

M様はこのサロンには欠かせない方で、奥様を在宅でお看取りされ、「第1回 結楽サロン」からほぼ皆勤賞で第15回目まで継続的に参加してくださりました。

悲嘆を乗り越え、途中からはOBとして悲しみを乗り越えたエピソードをユーモアを交えて語ってくださったり、ボランティアスタッフとしても動いてくださっておりました。

今回、身体の不自由さもありながら長女様が本人の楽しみや生きがいを少しでも叶えてあげたいと、強いお気持ちの中でサロンの参加を叶えることができました。ご家族様には大変感謝しております。

今回もうひとつ嬉しい報告があります。この4年のコロナ禍で密を避ける動きがありましたので、人の集まるサロンが理想の形にはいかず、安心安全を第一に継続をしてきました。再びお結びホールの机に肩を寄せて集まれる日を待ちわびておりました。

結楽サロン結楽サロンその日が少しずつ近づき、今回ご遺族様7名と地域の訪問看護様4名が参加してくださり、お茶を飲みながら大変賑やかに肩を寄せて様々な方と密な交流ができたかと思います。
結楽サロン 結楽サロン 結楽サロン
参加された訪問看護様からメッセージを頂きましたので紹介させていただきます。

私自身心の引っかかりがありましたが、今日ご家族様の想いや言葉に触れて、胸のつかえが降りた気持ちになりました。

グリーフケアはご利用者様側だけでなく、私達にとっても必要なことと改めて感じました本当に、温かい会をありがとうございました。

結楽サロン地域の方と共に、サロンが発展することを願っております。

次回のサロンは10月31日に開催予定です。今後ともよろしくお願いします。
看護師 水野
2024年4月18日
「新たな年度を迎えました」
4月となり、2024年度(令和6年度)の幕開けです。先日の「運営計画発表会」を終え、満開の桜を愛でながら新たな気持ちでこの4月を迎えました。

そして、今期新たに結ファミリークリニックのメンバーが加わります。医療事務1名、出産を経て脳神経内科の非常勤医師1名が復帰、自己研鑽休職支援制度を利用して特定行為研修・認定看護師教育課程で学んできた看護師1名が復帰します。

総勢、医師は非常勤医師含め4名の医師体制、看護師7名、事務7名(非常勤含む)の18名でスタートを切ります。今年度も訪問診療活動を中心にし、個人、各委員会、各部門、部、そしてクリニックの目標を共有し、ともに成長を支え合っていきたいと思います。

朝礼朝礼4月11日の朝礼では医療事務の入職、看護師の復職に合わせ二人に、一人ひとりメッセージの言葉を送りました。

これからオリエンテーションや研修、そして新たな取り組みの話し合いもはじまります。

今年度も新たな職員を含め療養者様、ご家族様、多職種の方々、地域の方々へ還元できるよう力を合わせて取り組んで参ります。職員一同、どうぞよろしくお願いいたします。
看護師 須田
2024年4月5日
「2024年度 運営計画発表会」
2024年度 運営計画発表会4月5日に運営計画発表会を開催しました。この会に向けて、私たちは前年度行ってきたことを振り返り、それに基づいて目標を立てて次年度の計画をつくります。

さらにそれを来賓の方々に聴いていただくことによって、私たちのことを知っていただくだけでなく、私たち自らのモチベーションを高めていきます。今年度は前年度に出席していただいた訪問歯科、訪問看護、税理士、設計士、建設会社の方々に加え、総合犬山中央病院理事長、療養者様代表とご家族代表に参加していただきました。

今年度、私たちは4つのことを柱に運営いたします。一つ目は、地域の特性を生かした院内事業継続計画BCPを完成させて活用することにより、あらゆる災害に対応できる安定した運営体制づくりをします。

二つ目は医療デジタルトランスフォーメーション(DX)を取り入れて、RPAの更なる活用、オンライン診療(遠隔診療)の活用、オンライン資格確認の導入とともにセキュリティ対策を強化し、サービスの効率化・診療の質の向上・療養者の利便性の向上を目指します。

三つ目は医師の業務効率化と持続可能な体制づくりであり、夜間休日待機システムの導入、看護師の特定行為推進による業務のタスクシフト、私たちらしい在宅医療の「言語化」と「標準化」およびそれを基にした人材育成のシステム作りをしていきます。

四つ目は、勤務姿勢に関する自己チェックリストを導入し、自己成長促進とともに職業人としての資質向上を目指します。以上の取り組みによって、質の高い持続可能な体制の構築を目指します。

これらのことを進めていくにあたって、常に「対話」を基本としていきます。療養者、家族、地域の多職種とだけではなく、院内スタッフ同士でも対話を大切にし、目標に向かって時に討議し、時に励まし合い、お互いに助け合っていきます。

2024年度 運営計画発表会運営計画の中では、総合犬山中央病院の竹腰理事長に発表していただきました。私の前職は総合犬山中央病院であり、竹腰先生が地域連携室の室長で、私が副室長、協力し合って中央病院と地域の診療所・施設との連携を進めていきました。

竹腰先生はその頃の思い出話から語り始め、開業してからも入退院で協力し合ってきたことを話され、これから新社屋の建設に向けてさらに密な連携を進めていくことを発表されました。

2024年度 運営計画発表会また、家族代表として三浦千里さまに発表していただきました。犬山市議会議長の時に在宅医療について関心をもち、市議会で発表する機会もいただきました。

ご家族をご自宅で看取ったばかりでしたが、写真を交えて時に笑いあり、時に涙あり、深い愛情をもって最期の二週間を一緒に過ごした話を語っていただきました。私たちにとっても、在宅医療をしていて良かったと思えるお話でした。

2024年度 運営計画発表会そして、療養者様代表としても療養されている方ご本人にも参加していただき、担当している訪問看護に発表していただきました。

普段診察している姿だけでなく、生きがいとして働いている姿を動画で見させていただき、精密な機械を創り上げる過程をみて、これまで生きてきた人生の積み重ねを感じ、普段診察で診ている姿とは違ったいきいきとした生活を見ることができました。

出席された方々には、温かい言葉をたくさんいただきました。これからも皆様とって最善の在宅医療を届けられるように尽力してまいります。今年度もどうかよろしく願いいたします。
院長 鈴木欣宏
2024年4月1日
「ラジオに出演しました」
ラジオ出演今年の1月12日に愛知北FMに出演してきました。実は私は若いころからラジオが好きで、よく布団の中でオールナイトニッポンのビートたけしや明石家さんまや桑田佳祐を聴いていました。

いまでも散歩や山登りしながら携帯ラジオを聴いています。これまで聴いてばかりいたラジオに自分が出るというのは不思議な気持ちでした。

愛知北FMというのは周波数81.2MHzで、犬山城からすぐ近くの城下町にスタジオがあります。地元密着ラジオで犬山市、扶桑町、大口町、江南市、各務原市、可児市の範囲に電波が届いていますが、インターネットでも視聴できるようになっているのでツイッターを通して日本全国から反響があるそうです。

ラジオ出演出演する前に担当のお姉さんが緊張をほぐすようにいろいろ話しかけてくださり、趣味の登山やトレッキングについて談笑をしました。出演時には社長の武井さんが司会をしてくださって、非常に話しやすく楽しんで話すことができました。武井さんは顎髭を生やして、ラッパーのような気さくな雰囲気の方でした。

私が話した内容は、在宅医療を一般の方みんなに知っていただくように、在宅医療が「どういうもの」で「どういう人が対象」になり「どのようにして申し込む」といいのかということと、さらには「在宅医療の良さ」もお話ししてきました。

犬山市の公式YouTubeにも掲載されましたので、ご紹介させていただきます。
院長 鈴木欣宏
2024年3月29日
「日本在宅医療連合学会専門医を取得しました」
日本在宅医療連合学会専門医今年度、日本在宅医療連合学会の専門医資格を取得することができました。日本在宅医療連合学会は、日本の在宅医療の代表的な学会です。

専門医資格を取るためには3つの段階の選抜を受けます。まずはポートフォリオといって、症例のレポートをテーマごとにまとめたようなものを10例書きます。例えば、「緩和ケア」について、特に「呼吸困難感の緩和」など意識して学んだことを中心にして複数の症例をまとめ、さらにこれからのステップアップとして何を目指すかを記載します。初めての形式で戸惑いましたが、クリニックの看護師さんたちの助けも借りながらなんとかまとめることができました。

次に筆記試験です。在宅医療としてまとまったテキストが無いので、緩和ケア、家庭医療、老年医学、総合医学、更には在宅医療制度まで片っ端から手を付けました。

最期に面接です。ポートフォリオをしっかりと書き上げたためか、そんなに厳しい質問はありませんでした。「どうしてこのクリニック名を付けたのか」「神経難病はどのようにして診ているのか」「緩和医療で分からないときにはだれに相談するのか」といったことを聞かれました。

この専門医試験を通じて在宅医療とは何かを振り返る機会にもなりましたし、学び続ける姿勢も教えられた気がします。専門医を取得できましたので、次は研修施設への整備です。在宅医療の正道を学びたい先生方に応えられるよう、これから研修制度を整えていく予定です。どうぞ在宅医療に関心のある先生がみえましたら、是非当院へ声をおかけください。
院長 鈴木欣宏
2024年3月15日
「『人生会議』住民講演会」
人生会議 住民講演会去る3月9日(土)に犬山市民交流センター「フロイデ」フロイデホールにて、犬山市、江南市、大口町、一般社団法人尾北医師会の主催で「人生会議」住民講演会が開催されました。当日は100人以上の方がご参加をされたようです。
人生会議 住民講演会当日、私もプログラムの中の「介護をされたご家族からのお話」で、そのご家族の方が介護されていた時の介護のお話や人生会議、医療の選択などの意思決定についてお話を伺うナビゲーター役として登壇いたしました。

今回お話をお伺いしたご家族の方は、以前結ファミリークリニックが4年ほど訪問診療でお伺いをしていた男性のご家族でした。難病や他のご病気も併発し医療ニーズの高い方で、毎日多職種のサービスの方がご自宅に出入りされ、ご家族も夜間深夜も医療処置を必要とする状況でいらっしゃいました。

ご逝去後、様々な想いを抱えながらもこうして「人生会議」をテーマにして振り返っていただき、大勢の方の前でお話をすることは大変勇気を必要とすることだったと思います。私も改めてその方の生きてこられた人生を共に振り返る機会をもらい、多くの気づきや学びをいただきました。

その後のアンケート集計でもご参会された皆様が多くの感想を書き込んでくださっていたようで、この「人生会議 〜想いを伝え、希望をつなぐ〜」に関心が高いことを改めて知る機会となりました。

今回の参加者は60〜80代の年代の方が多く、若い年代の方はパラパラと参加されていたようです。今後はこの年代の方々だけでなく、若い年代の方々にもより多く「人生会議とは何か」「誰と、何をどんなふうにすすめていけばよいのか」を知っていただけたらと思いました。

みなさんも「大切なひとと自分のことを語り合う」ことをしてみませんか?尾北医師会では、住民出前講座などみなさまからのご要望に応じて、出前でこの人生会議についてお話をする活動をしております。動画などもありますので、詳細は尾北医師会までお尋ねください。
看護師 須田
2024年3月6日
「『人生会議』住民講演会のご案内」
来る3月9日(土)、犬山市内にあります犬山市民交流センター「フロイデ」の4階フロイデホールにて、「そろそろはじめませんか?想いを伝え、希望をつなぐ人生会議」をテーマに「人生会議」についての住民講演会が開かれます。主催は犬山市、江南市、大口町、扶桑町、一般社団法人尾北医師会です。

人生会議 住民講演会のご案内人生会議 住民講演会のご案内自分の「もしものとき」や家族の「もしものとき」に伝えたいこと、聞いておきたいことなど、早いうちから「人生会議」することの大切さについてのお話です。

短編ドラマや介護をされた方からのお話、専門職からのお話、クイズなどしながら一緒に学んでみませんか?詳細はフライヤーをご覧ください。

ぜひ、ご来場をお待ちしております。
看護師 須田
2024年2月29日
「第20回結楽サロンを開催しました」
第20回結楽サロン4年に1度のうるう年の2月29日、第20回目となる結楽サロンを開催することができました。今回は大切な方をお見送りされた、6名のご家族様の参加がありました。

「涙を流すチャンスをいただけたことに感謝しています」と沢山涙を流された方や、「心の中に秘めている大切な家族への思いを話すと、自分が保てなくなるから」と話すことが難しかった方がいらっしゃいました。

今回のサロンでは、思いを吐露できた方も吐露できなかった方も、「在宅療養中に関わってくれた、看護師さんやリハビリの方など多くの多職種が、ご逝去後パタッと来なくなり会えなくなったことへの寂しさ」「一時はあまり眠れなくて、食事もすすまなかった」という発言に、互いに深く頷かれる場面もありました。こういった場面を見かけると、グループで行うサロンの効果を感じることができます。
第20回結楽サロン 第20回結楽サロン 第20回結楽サロン 第20回結楽サロン
参加されたY様が数日後、「パンが焼き立てだったからお届けにきたよ〜」と立ち寄ってくださりました。「サロンに参加できたこと有難かったです」というお言葉をいただきました。また別の日にはI様が、段ボール一杯の気持ちのこもった贈り物と便箋2ページにおよぶお手紙をしたためお越しくださいました。お手紙にはお見送りされたお母様への気持ちやサロンの感想、当院医師やスタッフに対する激励をいただき、スタッフ皆の今後の活力となりました。

このサロンの開催場所の「お結びホール」と名付けた真髄を解釈してくださり、人と人のご縁が結ばれていく様を感じ取られたそうです。本当にありがとうございました。

第20回結楽サロン次回の「第21回結楽サロン」は5月30日(木)に予定しています。「久しぶりに参加したいわ」と思われているOB・OGの方も、お気軽にお問い合わせください。
看護師 水野
2024年2月15日
「求人 医療事務 募集」
この度、院内の「医療事務 常勤1名」を募集することとなりました。2月25日の新聞織り込み広告「桜花株式会社」さんの広告に掲載されます。
医療事務・訪問アシスタント募集
医療事務の経験があり、在宅医療に関心のある方を1名募集しております。第1期募集期間は3月4日(月)までです。

仕事内容は、訪問診療の同行アシスタント(運転・書類の印刷・保健証や書類の管理など)、保険請求、地域貢献活動などがあります。研修制度があり、一定期間研修を行いながらお仕事を覚えていただけます。

土日祭日は基本お休みで、月曜日〜金曜日 8:30〜17:00の勤務になっています。学校行事休暇や病児・介護休暇などの制度も整っております。ご関心のある方は、ぜひご応募をお待ちしております。

募集期間:〜3/4(月)
ご連絡:平日 10:00〜16:00
担当:須田または野木森まで
看護師 須田
2024年1月29日
「犬山市の『私のエンディングノート』を用いて院内でワークショップをしました」
当院では療養者様の誕生日月に、丹羽看護師が作成した誕生日カードのお祝いと、もしものときにどのような医療やケアを望むのか、家族や信頼する人、医療・介護従事者たちと話し合う時間にしています。(厚生労働省が推進している人生会議の一環として)

初級では「わたしのこと」という当院の統括須田が作成した小冊子を用いて、「大切にしていること」「大切なひと」「すきな食べ物」「行きたいところ」など難易度のやさしい質問をして自分の言葉で自分のことを話す練習をします。

犬山市のエンディングノートそして、2回目以降の中級者となると、犬山市のエンディングノートを用いて、終末期医療について延命治療を望むのか否か、終末期をどこで過ごしたいかなども話し合います。

こういった話し合いが、療養者様の立場に立つと「どんな気持ちになるのか」スタッフが知ることが大切。より良い時間となるように院内でワークショップし、スタッフも体験してみようということになりました。
ワークショップ ワークショップ ワークショップ
ワークショップを終えて、

  • 聴き手は話し手の話の要点をまとめたり、編み直したりして投げかけながら対話すると話し手が話しやすいのではないか。
  • 限られた時間の中で性格や背景をより深く知ろうと話を広げたり、誘導するといい。前に座るより横に座った方が話しやすい。
  • マスクをしているので、目の表情はとても大切。

という意見が出ました。

「聴き手と話し手の距離感や位置」「表情や雰囲気作り」「あいづちや対話方法」など、スタッフが療養者様の気持ちを知り、この誕生日月の人生会議がより良い時間になるように2024年も活動を続けて参ります。
看護師 水野
2024年1月26日
「大慈学苑スピリチュアルケア勉強会『台湾のスピリチュアルケア最新情報』に参加」
2023年11月から台湾の女性の方の在宅療養をさせていただいており、がんの進行に伴い全人的な苦痛が出現し、彼女の思いを注意深く聴きながら、生きる希望に寄り添えるようにと努めて参りました。

彼女の苦悩や20代の息子娘が母を支える姿に、台湾のマインドを知りたい、知識として知った上で参考になるケアがあればと、この大慈学苑のスピリチュアル勉強会の案内は大変有難く思いました。

大慈学苑スピリチュアルケア勉強会当院の統括須田・看護師井戸と共に1時間30分の大慈学苑玉置妙憂先生のZOOM講義に参加しました。

台湾では終末期における4つの苦痛(身体的・精神的・社会的・スピリチュアルな苦痛)の、スピリチュアルな苦痛に対するケアに、政府を挙げて取り組もう、同じレベルで学ぶ必要があると、先進的に取り組んでいる国の一つであるそうです。

そして、イギリスの経済紙「エコノミスト」の調査においてQuality of death(死の質)は台湾は全体の6位、日本は14位だそうです。

台湾で大切にされている逝去後8時間遺体を安置する助念の作法や、緩和治療において意識レベルが最期まで保て話ができるような方法を好む傾向があると知りまました。文化の違いを知識として知ると共に、どんな国籍でもどのような信仰があるとしても、その方が大切にする真の拠り所を尊重し、私たちスタッフもその方が穏やかになれる方法を共に考え、寄り添いたいと感じました。

今回台湾の方との関わりを通して、グローバルな視点を養うことができました。また、改めてスピリチュアルケアの必要性を感じ、当院も皆で高め合いQuality of death(死の質)についてもデスカンファレンスで取り上げ、多職種で検討出来たらよいと思いました。
看護師 水野
2024年1月17日
「ミニむつき庵 楽桃 セミナー開催」
おむつの使い方セミナー前回のパート1「尿もれ」に引き続き、パート2として「おむつの使い方」についてのセミナーが開催されました。

内容は「1.排泄の仕組み」「2.おむつという言葉について」「3.オムツの使い方(紙パンツ・テープ式)」について開催されました。

おむつの使い方セミナーおむつの使い方セミナー一般の方や専門職対象でしたが、今回は訪問介護をされている方、高齢者施設・有料老人ホーム勤務の介護職の方々がご受講くださいました。

日頃、直接処遇として排泄ケアに関わっている方々なので、実践編でのおむつの取扱い場面でもスムーズな手さばきでいらっしゃいました。

それでも、実体験をしていただく中で、改めておむつの使い方のポイントを丹羽講師からレクチャーを受けて新たな発見やおむつへの関心度が高まったご様子でした。また、実践者ならではの「片麻痺のある方の尿漏れ」「下痢の方のオムツ選定」など具体的な質問もあがっていました。

おむつの使い方セミナー今後も定期的にセミナーを開催していく予定です。また、個人の相談から施設や事業所向けのセミナーなども随時ご相談できますので、お気軽にお声掛けください。
看護師 須田
2024年1月1日
「新年のご挨拶」
皆様、あけましておめでとうございます。昨年は皆様よりご支援いただき、こころから感謝を申し上げます。

今年の抱負は、地域で療養さる方々に最善の在宅医療を安定的に提供できる体制づくりをするとともに、皆様に提供する在宅医療の質をさらに向上させていきたいと考えています。

療養される方々一人ひとりにとって最善の医療を提供するために、昨年はアンケートを行うことでニーズを的確にとらえ、私たちの在宅医療の在り方を振り返ることをいたしました。みなさまのご意見を真摯に受け止め、今年からの医療の改善につなげていきたいと考えております。

また、当院が安定して運営できるように、災害を含めたあらゆる困難を想定し、それに対応できる体制づくりを進めていきます。さらに皆様に対して行っている在宅医療の質を向上させるために、学会などに参加して知識を得るとともに、発表を通じて他の施設との意見交換をしていきたいと考えています。

地域の皆様に信頼されるクリニックになるために、以上の活動に真剣に取り組む所存ございます。どうぞ今年も変わらぬご指導を賜りますようよろしくお願い申し上げます。 本年も皆様がご健勝ご多幸でありますよう、こころからお祈り申し上げます。
院長 鈴木欣宏
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