愛知県犬山市の訪問診療は結ファミリークリニック
犬山の街
私たちはいつまでも住み馴れた場所で安心して暮らし続けられる地域づくりをします 私たちは在宅医療を専門とするクリニックであり、外来通院ができなくなった方のご自宅にお伺いして診療をしています。一人ひとりがこれまでの生活があり、身体を患ったとしてもその人らしさは変わるものではありません。

これまでの生活や価値観や思い知り、その人らしく生きられるように相談しながら最善の医療を提供できるよう心がけています。
結ファミリークリニックのできること
人生の最終段階における医療・ケアに関する指針
「お結び健康まつり」のお知らせ
今年は、パーキンソン病などの難病で療養している方とそのご家族様を対象として「お結び健康まつり」を開催します。

「パーキンソン病とわたし」というテーマでゲスト講演とディスカッションがある他、アロマでのセルフマッサージや笑いヨガ、難病に特化した道具の紹介、療養している同士で語り合える交流カフェなど盛りだくさんなイベントです。定員35名の事前予約制となります。

第2回 お結び健康まつり第2回 お結び健康まつり「お結び健康まつり」
日程:11月29日(金)
時間:10時00分〜13時(9時45分受付開始)
開催場所:結ファミリークリニック

ご予約は11月11日(月)〜15日(金)の10:00〜16:00お電話(0568-68-3311)にてお願いいたします。スタッフ一同、心よりお待ちしております。
患者さまと共に
2024年10月15日
「神経系難病患者・家族のつどい『ゆめの会』で講師をしてきました」
ゆめの会講演会 9月10日に、江南保健所主催の神経系難病患者・家族のつどい「ゆめの会」に講師として参加いたしました。

今回は「最新の治療と療養生活における工夫」というテーマをいただきました。最近の治療は主にパーキンソン病と多発性硬化症になりますが、脊髄小脳変性症やアルツハイマー型認知症についても少し触れました。

パーキンソン病の治療薬は沢山出ていますが、最近の話題は外科的な手術になります。脳深部刺激療法と言って、視床下部など脳の深部に針金のような電極を差し込んで微弱な電気を流して刺激するもので、治るわけではなく内服を減らすことができます。デメリットとしては手術が必要なことと、症状は進行しますので数年後にはまた同じ量の内服が必要になります。

レボドパ・カルビドパ配合経腸用液療法(LCIG)という治療は、胃ろうを造ってそこから細い管を長まで延ばし、少しずつ持続的にレボドパを注入するものです。内服では血中濃度が安定しないので、薬の血中濃度が高すぎるとジスキネジアという不随意運動が出て、低いと体が動かない(off状態)となりますが、この治療ではずっと持続的に同じ量が腸に直接入るので血中濃度が安定します。

デメリットは胃ろうの手術が必要であることと、1日1回薬液の交換が必要なことと、薬液が高価なため入院や一部の施設では使用できなくなることがあります。

ホスレボドパ・ホスカルビドパ水和物持続皮下注(ヴィアレブ)という治療は、直接皮下に薬液を持続的に注射するものです。手術が必要ありませんし、皮下注射だけですので簡易にできて血中濃度もさらに安定します。一方で、皮下注射の針の交換や薬液の交換が必要なので、手技を習得することが大変で断念することが多いことと、LCIGと同じく薬液が高価なため入院や施設で使用できなくなる場合があります。

さらに研究されていることとして、パーキンソン病で脳内に蓄積するαシヌクレイン蛋白を除去したり産生させなくしたりする研究がなされています。これはアルツハイマー型認知症におけるAβ蛋白除去療法と同じ発想で、原因療法になるものです。まだ研究段階ですので、実際に治療薬となるまでにはまだまだ時間が必要です。

また、多発性硬化症の方やご家族から熱心な質問がありました。多発性硬化症は脳内に脱髄という病変ができて、それが様々なところで再発と緩解をくり返す疾患です。もともと欧米に多かった疾患ですが、最近は食生活や環境の欧米化により日本でも増えてきています。

治療方法も増えてきて、治療効果が低いが副作用の少ないものから、治療効果は高いが副作用の強いものまであります。今回はケシンプタという薬の質問があり、JCウイルスによる進行性多層性白質脳症PMLという疾患が心配であるとのことでした。タイサブリという薬剤で多く見られる症状ですが、ケシンプタではこれまで発症した方がみえないので、まだ投与間隔を延ばすなどの対応は必要ないことをお伝えしました。

神経難病の進行期には、運動症状以外にも様々な症状が出現してきます。生活へ影響するものとして、それまでの運動障害などという主症状に対して、幻覚・覚醒障害・認知症などの精神症状、嚥下障害・誤嚥性肺炎による入退院、転倒骨折によるADL低下、排尿障害や便秘などの合併症が加わってきます。

それぞれの症状全てに対して薬で治療していくと大変な量の内服をすることになり、副作用でさらに悪化するリスクも出てきます。そのリスクへの対応方法として薬以外に、生活習慣の見直し、リハビリなど様々な方法があるので、広い視野をもって対応すると解決できる場合があります。

幻覚・覚醒障害に対しては、規則正しい生活をして昼間運動することや、家族に協力していただき精神的に安定することで幻覚などの精神症状が改善する場合があります。嚥下障害や誤嚥性肺炎は毎日3回口腔ケアをして、ムセなどがある場合には食形態に注意をすること、転倒骨折にはリハビリを導入して生活環境を整えること、便秘に対しては運動や水分・食物繊維の摂取をすることが大事になってきます。

特に起立性低血圧がある場合には、内服薬だけでなく、起き上がりをゆっくりにしたり睡眠をしっかりとって体調を整えたりするだけで発作は置きにくくなります。生活習慣や環境を見直すとともに、関係する訪問看護やリハビリの方と相談することをお勧めいたします。

講演の後、神経難病の方から多くの質問をいただき、あっという間に2時間が過ぎてしまいました。もっとのんびりとお茶をしながら皆さんとお話ができれば、さらに多くのお話を皆さんから聞くことができたのだろうと思います。このような場を毎年設定していただいている江南保健所のスタッフの方々には、心から感謝を申し上げます。

なお、ゆめの会の中でも少し触れましたが、11月29日に「お結び健康祭り」を開催して難病の方たちと話をする時間を作る予定です。ぜひ皆様ご参加ください。
院長 鈴木欣宏
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